2014 Fiscal Year Annual Research Report
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23791913
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
喜友名 朝則 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10433103)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 痙攣性発声障害 / 脳機能画像 / fMRI |
Outline of Annual Research Achievements |
痙攣性発声障害(Spasmodic dysphonia:以下SDと略す)は、発声中の詰まりや途切れ、震えをきたす原因不明の疾患である。これまでSDは稀な疾患とされてきたが、近年医療者の本疾患認知度が向上し,またインターネットを通した患者自身による情報収集により患者数は増加してきている。しかし疾患原因が不明であるため、その治療は難しいのが現状である。患者の多くは音声によるコミュニケーション障害のために社会から孤立し、心理的な不安を抱えて生活している。全国的にはSDの会が発足し、SD患者同士がサポートし合いながら、情報の提供や行政機関などへの働きかけを行っている状況であり、その原因究明は急務となっている。これまでこの疾患の本態を喉頭のジストニアとする仮説が有力であるが確定的な報告は存在しない。本研究では脳機能画像(機能的核磁気共鳴画像functional MRI: 以下fMRIと略す)を用いて本疾患の病態解明をおこない,治療戦略を導きだすことを目的とした。研究代表者はこれまでfMRIを用いて、内転型SDの発声時の脳活動を健常者と比較し、大脳皮質感覚運動野、基底核、小脳、視床、聴覚関連野等に異常脳活動を認めた。この脳活動がSDを生じる主たる原因であると推定した。他の局所ジストニアの脳活動と同様な領域の異常を示しており、本疾患が局所ジストニアであることを裏付ける所見であると考えられた。最終年度においてより会話に近い数字の読み上げタスクへ発声時のタスクを変更して異常部位の違いを確認したが、同様な部位での賦活であった。また、健常人の喉詰め発声との違いを検討したが、SD群では小脳でより強い賦活がみられ、小脳の機能異常がSD発症の鍵になる可能性も示唆された。
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