2011 Fiscal Year Research-status Report
ヒト鼻咽腔粘膜上皮におけるDDSを介する抗原提示細胞の機能解析および分化誘導
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23791915
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
郷 充 札幌医科大学, 医学部, 講師 (80448604)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 鼻粘膜 / M細胞 |
Research Abstract |
現在,日本国民の4人に1人が花粉症を発症し,また世界的にもインフルエンザやSARSをはじめとする感染の流行などで,感染アレルギーの予防および治療はますます重要になってくるものと考えられる.鼻咽腔・鼻粘膜は,外来病原体に対する生体防御の最前線に位置し,その粘膜は,自然免疫,獲得免疫において重要な役割を担っている.われわれは、感染アレルギーの免疫機構解明のため、ヒト鼻咽腔粘膜上皮・鼻粘膜上皮における抗原提示機構と上皮バリア機能との関係を明らかにすることを目的として本研究をおこなっている.正常およびアレルギー性鼻炎におけるヒト鼻粘膜組織,扁桃,咽頭扁桃におけるM細胞の同定とタイト結合蛋白の発現解析を行った.ヒト扁桃上皮を陽性対象として,正常ヒト鼻粘膜上皮におけるM細胞をCk20, UEA-1, Vimentin, Annexin-V,TLR2,TLR9などのM細胞特異抗体を用いて免疫染色,免疫電顕を用いて同定し,アレルギー性鼻炎の鼻粘膜上皮と発現率を比較検討した.さらにタイト結合蛋白の様々な特異抗体と2重染色し,周囲の上皮とは異なるM細胞特異的なタイト結合蛋白の発現を検索した. ヒト鼻粘膜上皮を検討した結果,Ck7がほぼ全ての上皮に陽性に対して,ヒト扁桃上皮でみられたCk20陽性M細胞が,一部の鼻粘膜上皮中に明らかにみられ,タイト結合蛋白occludinの発現もみられた。今後は、M細胞だけを分離同定し培養し、ヒト扁桃,咽頭扁桃,鼻粘膜から分離同定された初代培養扁桃および鼻粘膜上皮細胞を用いて,テロメラーゼ遺伝子導入による延命化扁桃および鼻粘膜上皮細胞系を確立することを考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト扁桃上皮、ヒト鼻粘膜上皮、ヒトアデノイド上皮を用いる実験系であるが、全体としておおむね順調に進行していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト鼻粘膜上皮のバリア機能とM 細胞による抗原提示機構との関係の解析は全く報告がなく,感染アレルギーの予防と治療に対して今回のアプローチは非常に独創的と考えられるため、今後も多くの報告、研究会、学会などの最新の知見を踏まえて、本研究を発展させていきたい.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ヒト扁桃組織とともに鼻粘膜組織よりCk20 抗体,FACS calibur および磁気ビーズを用いて,M細胞だけを分離同定し培養する.培養M 細胞においては,蛍光色素の取り込み能とともにタイト結合蛋白の発現をRT-PCR, Western blot および免疫染色を用いて詳細に検討する予定である.また、M 細胞の分化誘導のために,ヒト扁桃および鼻粘膜組織から上皮細胞を分離同定し、初代培養系を確立し、さらに初代培養鼻粘膜上皮細胞においては,同様に分離培養したヒト鼻粘膜線維芽細胞と共培養し、研究を継続しようと考えている
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Research Products
(1 results)