2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23791923
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
山下 哲範 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (50588522)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 超音波 / 骨導 / 語音 / 補聴器 |
Outline of Annual Research Achievements |
超音波を利用した最重度難聴者用の補聴器の開発を行ってきた。超音波補聴器の最適化・実用化をめざし、健聴者や難聴者を用いて語音の弁別検査を行ってきた。 最終年度は健聴者や難聴者の被験者を増やし語音弁別検査を行った。健聴者は最終で34名であった。健聴者の中には、超音波を聴取できない被験者はいなかったが、3名で超音波は聴取できるが、変調した超音波語音を弁別できない被験者が存在した。重度難聴者における過去の報告では、約40%が超音波を聴取可能であり、変調した骨導超音波音の弁別が可能であるのは約20%と報告されており、難聴者・健聴者共このような被験者が少なからず存在することが判明した。これは脳の高次機能における語音の弁別が関与している可能性が示唆される。また、20~33歳までの健聴者と50歳代、60歳以上の健聴者の3郡に分けて結果を比較した。3群間でダイナミックレンジに大きな差異は認めなかったが、最大音圧での刺激である15dBSL時での弁別能で60歳以上の被験者では明らかに正答率が低下している結果がえられた。高齢者は、一般的な聴力検査では難聴がなくとも年齢とともに高周波領域(蝸牛基底回転での聴取)の聴力が悪化してくるとされている。今回の結果は骨導超音波の聴取メカニズムの仮説として挙げられている蝸牛基底回転での聴取説を支持するものであると考えられた。また、健聴者の中で語音弁別が悪い被験者に対して繰り返し弁別検査を行うことで弁別能が上昇するのかどうかを検討した(リハビリテーションの効果)。その結果健聴者においては少なからずリハビリの効果が得られることが判明した。 難聴者4名の骨導超音波聴取実験を行った。今年度の重度難聴被験者は骨導超音波を聴取できなかった。若年中等度難聴者では最大提呈示音圧においても弁別能にばらつきが出現した。
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Research Products
(4 results)