2011 Fiscal Year Research-status Report
鼓膜全面の振動解析法確立に向けたレーザードップラープローブの開発
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23791931
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
和佐野 浩一郎 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (40528866)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 鼓膜振動解析 / レーザー |
Research Abstract |
polytec社のLaser Doppler Vibrometerを用いて鼓膜振動および耳小骨振動の解析を行った。購入したManupilatorは鼓膜面にLaserを当てるために必要であり、これを導入し顕微鏡に装着した状態で測定を行うことにより鼓膜の任意の位置の振幅を安定して計測することが可能となった。まず、御遺体に対し、鼓膜振動の解析と耳小骨振動の解析を行った。鼓膜振動の解析は鼓膜の部位別の振幅などを比較し、最大振幅を認める部位がどこなのかを解析し、中心である臍部が最も振幅が大きいことを解明した。耳小骨の振動は、鼓膜が正常のままでキヌタアブミ関節およびアブミ骨底板を測定できるように後鼓室開放術を施し、外耳道から一定の音を入れることにより、正常の状態でのアブミ骨の動きと、接着剤でキヌタアブミ関節を固定した状態でのアブミ骨の動きを解析し、アブミ骨底板の動きが減弱していることを確認した。耳小骨振動子をつけることで固定してもアブミ骨を振動させることができることを確認した。耳小骨固着モデルを確立し耳小骨振動子の有用性を確認した。また、中耳機能が正常な者に対して鼓膜振動の解析を行った。鼓膜振動の振幅は音圧および周波数により一定の傾向を示すことが解明され、症例数を増やすことや中耳モデルとの比較を進めることでさらなる検討を行っている。このデータは第21回日本耳科学会総会学術講演会のシンポジウムで発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
御遺体および中耳機能正常な被検者に対しての鼓膜振動解析を行い、予定通り測定条件および解析につき、環境整備を行えた。今後は中耳機能正常者に加え、各種中耳疾患の患者の測定を行い、臨床的にどのように用いるのが良いかを検討していく。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は中耳機能正常者の解析数を増加させることに加え、各種中耳疾患の患者の測定を行い、臨床的にどのように用いるのが良いかを検討していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
LaserDopplerVibrometer機器の有料レンタルを定期的に行い、測定数を増やす。また、安定した音圧をかけるためのスピーカーおよびマイクを購入する。平成23年度はManupilatorがオーダーメイドとなったため、作成に長期間かかり測定数が増やせなかったので、繰越額が発生した。次年度は測定回数を増やすことによりデータを蓄積する。
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Research Products
(1 results)