2011 Fiscal Year Research-status Report
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23791933
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
羽生 昇 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (60365369)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 国際情報交流 |
Research Abstract |
DNA結合色素Hoechst33342を用い舌癌扁平上皮癌細胞株SAS,HSC4,SCC4をflowcytometryにてsortingした結果,癌幹細胞様細胞であるSP(side population)細胞はSASにて0.9%、HSC4にて0.7%、SCC4にて10.2%、それぞれ認められた。頭頸部扁平上皮癌にも癌幹細胞様細胞があることから、癌幹細胞の存在が考えられた。次に、RT-PCRにて癌幹細胞関連遺伝子の発現をSCC4のSP細胞とnon SP細胞(=main population:MP)の間で比較した結果、SP細胞で転写因子Oct3/4、Nanog、Ntoch1およびABC transporterのABCG2の発現が高かった。同様にSP細胞とnon SP細胞をMicroarrayにて比較したところ、SP細胞で、転写因子Oct3/4,SOX2やABCG2の発現が高かった。上皮間葉移行(EMT)誘導因子Snail,Twist,CHIP1などは、両者の間では、有意差は認めなかった。これらから、SP細胞はnon SP細胞と比較して、癌幹細胞マーカーの発現は高いものの、EMT関連因子の発現には差がないことが確認された。EMT誘導因子を投与するにあたって、投与前のSP細胞とnon SP細胞の間には、EMT関連因子の発現に差がないことを確認された。つまり、これからnon SP細胞にEMT誘導因子を投与し、癌幹細胞マーカーの発現がSP細胞と同様に高くなれば幹細胞の性質を獲得できるか検討できるのである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
フローサイトメトリーにて頭頸部扁平上皮癌細胞株から癌幹細胞様細胞であるSP細胞を安定してsortingする状態に準備段階でかかったためと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
頭頸部癌細胞株から抽出した癌幹細胞様細胞であるSP細胞をのぞいたnon-sp細胞に上皮間葉移行EMT誘導因子を投与し、投与前後でのEMT誘導因子、幹細胞様マーカーの発現変化を比較する。non-SP細胞にEMT誘導因子を投与することでSP細胞としての性質を獲得するか、すなわち癌幹細胞への脱分化をおこすかを確認する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度未使用額発生は効率的な物品調達を行った結果であり翌24年度の消耗品購入にあてる予定である。24年度は、EMT誘導因子、EMT阻害剤などの薬剤購入費。またMicroarrayなどの実験費用、第8回international conference on Head and Neck cancerでの経過発表などに使用を計画している
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