2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23791937
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
神谷 和作 順天堂大学, 医学部, 講師 (10374159)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 再生医療 / 遺伝性難聴 / 蝸牛線維細胞 / 間葉系幹細胞 / 幹細胞ホーミング / 多能性幹細胞 / コネキシン26 / ギャップジャンクション |
Research Abstract |
内耳細胞治療による聴力回復はアプローチが困難なため近年まで成功例が皆無であった。しかし研究代表者は蝸牛線維細胞領域へ間葉系幹細胞を導入することで感音性難聴の聴力回復に初めて成功した(Kamiya et al. Am J Pathol 2007)。本研究では遺伝性難聴における重要な変性箇所、蝸牛線維細胞を標的とした新規幹細胞治療法の開発を目指す。特に独自の三種の遺伝子改変難聴モデルを用いることにより遺伝性難聴難聴の根本的治療法開発を目的とした。これまでの研究ではヒト遺伝性難聴で最も高頻度に変異が検出されるGjb2(コネキシン26(Cx26)遺伝子)の内耳特異的欠損モデルマウスを完成させ、ヒト遺伝性難聴と病態がほぼ一致した遺伝性難聴モデルであること確認した。同マウスは最もヒト遺伝性難聴と病態が近似したモデル動物と考えられ新規治療法開発の研究に最適であると考えられる。同マウスの生後初期のカルシウムシグナルの測定(Ca2+イメージング)では、蝸牛における自発的Ca2+シグナル伝搬の明らかな障害が見られ生後初期からのギャップ結合の異常が明らかとなった。また骨髄間葉系幹細胞の内耳組織への誘導・修復のために必要な遺伝子を解析した結果、ケモカインMCP1とその受容体CCR2が有力な内耳への幹細胞ホーミング(組織への幹細胞誘導と定着)の誘導因子としてスクリーニングされた。この自然細胞誘導・修復機構を人為的に増強することにより内耳への細胞導入効率が飛躍的に高まり、更にはコネキシン26欠損動物で欠失したCx26によるギャップジャンクションを再構成させることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規開発した遺伝性難聴モデルマウスの表現型が明らかとなり、更には同マウスを用いた間葉系幹細胞移植において欠損したギャップ結合を再生させるなどの進展が見られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
大部分の研究費に関しては計画通りに支出したが、実験動物の繁殖状況や謝金等の勤務状況に応じて予想困難な変動が生じるため、今後はこれらを事前に予測し、正確な支出計画を立てる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験動物の繁殖状況や謝金等の勤務状況に応じて予想困難な変動が生じるため、適時年度計画を見直しつつ3か月ごとの支出計画の確認を行う予定である。
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Research Products
(2 results)