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2011 Fiscal Year Research-status Report

片側内耳破壊ラットの小脳片葉プロテオーム解析

Research Project

Project/Area Number 23791945
Research InstitutionSt. Marianna University School of Medicine

Principal Investigator

深澤 雅彦  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (70410090)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords前庭代償 / 小脳片葉 / プロテオミクス
Research Abstract

エタノール吸入麻酔科にラットの耳後部切開を加え、100%エタノールを注入し内耳を破壊(前庭代償モデル)。前庭代償急性期(48時間後)と慢性期(1週間後)に小脳片葉(破壊側、対側)を摘出し、タンパク質を抽出。抽出したタンパク質をIPGstripに膨潤し、等電点電気泳動を行いSDS-PAGEにて二次元目電気泳動を行い蛍光標識二次元ディファレンスゲル電気泳動解析システム(2D DIGE)を用いスポットの発現を確認。コントロールと比較しタンパク質発現量のことなるスポットをゲルより切り出し、Trypsinにてゲル内消化し、MALDI-TOF mass spectrometerにて質量分析を行った。質量分析器によって得られたデータを解析ソフトMascot (Matrix Science Ltd.)を用いNCBI protein データベースより検索しタンパク質の同定を行った。 前庭代償に関与するタンパク質としてN-ethylmaleimide-sensitive fusion protein (Nsf)等10種類のタンパク質を同定した。またNSFは、その翻訳後修飾が前庭代償急性期に関与している可能性が示唆されたため、Nsfの翻訳後修飾の解析として、ETD (Electron Transfer Dissociation)-Ion Trap MSを用いた LC-MS/MSにより現在解析中である。 また同時並行して、前庭代償過程における小脳片葉での神経関連タンパク質として同定されたタンパク質のうち、Nsf, Inexa, Pdia3の動態の解析として、免疫染色法を用いて内耳破壊後0時間、24時間、48時間、1週間での両側小脳片葉におけるNsf, Inexa, Pdia3のタンパク質動態を解析中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

本年は、同定されたタンパク質に対し、個々に機能解析を行っている段階であり、最終目標としての、前庭機能障害の治療標的となりうるタンパク質の同定、前庭代償の分子メカニズムの解明、めまいの治療薬の創薬や、前庭代償過程を進めることのできる技術の開発には、まだまだ到達されていない現状である。 プロテオミクスにより、網羅的な解析ができる反面、個々の機能解析には、それぞれさらに予備実験を要する点が、遅れている理由の一つと考える。

Strategy for Future Research Activity

短期目標として、同定されたタンパク質に対し個々に機能解析を継続する。Nsfの翻訳後修飾の解析としてETD-Ion Trap MSを用いた LC-MS/MSにより、翻訳後修飾を明らかにする。また前庭代償過程における小脳片葉でのNsf, Inexa, Pdia3の動態の解析として、免疫染色法を用いて内耳破壊後0時間、24時間、48時間、1週間での両側小脳片葉におけるNsf, Inexa, Pdia3のタンパク質動態を解析する。 中期、長期目標として、有意差のあった残り60スポットについても治療標的となりうるタンパク質スポットのため引き続き同定を継続していくとともに、機能解析をすすめ、前庭代償の分子メカニズムを明らかすることで、めまいの治療薬の創薬や、前庭代償過程を進めることのできる技術の開発につながることを目標とする。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

本年度はRNAおよびタンパク質レベルでの発現を見るための実験消耗品に使用した。次年度も引き続き、翻訳後修飾の解析としてETD-Ion Trap MSを用いた LC-MS/MSの使用および、有意差のあるタンパク質スポット同定のためのプロテオミクス消耗品を中心に使用予定である。当研究にあたり二次元電気泳動画像解析システム(PDQuest)、タンパク質同定システム(Mascot)、塩基配列情報解析システム(DNASIS Pro)などのソフトウェアは当研究施設に既に用意されている。しかしながら、プロテオミクス解析消耗品(SYPRO ruby染色5L 定価26万円、Cy Dye DIGE Saturation dye 定価45万円など)が非常に高額であり、消耗品を中心に試薬(Tris、DTTなど)20万円、プロテオミクス消耗品50万円、モノクローナル抗体50万円などを使用計画として予定している。

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Published: 2013-07-10  

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