2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23791945
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
深澤 雅彦 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (70410090)
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Keywords | 前庭代償 / プロテオミクス / Nsf / 翻訳後修飾 / ニトロシル化 / リン酸化 |
Research Abstract |
前庭代償(VC)モデルラットのVC急性期(48時間)と慢性期(1週間)に小脳片葉(破壊側、対側)を摘出しタンパク質を抽出。2D DIGE、MALDI-TOF mass spectrometer(MS)を用いて解析、タンパク質の同定を行った。VCに関与するタンパク質としてN-ethylmaleimide-sensitive fusion protein (Nsf)等10種類のタンパク質を同定。このうちNSFは、同じ分子量で等電点の異なる4つのスポットから同定、うち1箇所で差異を認め、翻訳後修飾がVC急性期に関与している可能性が示唆された。全スポット中のNSFを、NSF抗体を用い2Dゲルで、 Western-Blotting法(WB)により明らかにしたところ、同定された箇所以外にNSFは検出されなかった。 まずNsfの翻訳後修飾の解析を、ETD-Ion Trap MSを用いた LC-MS/MSにより試みたが同定に至らなかった。 次にNSFの翻訳後修飾として、リン酸化、ニトロシル化の報告があり、ニトロシル化修飾を検討。1D、2DゲルをSYPRO Ruby染色(N-ニトロシル化抗体はシステイン残基への認識抗体で、システインCyDyeは使用できず)し、N-ニトロシル化抗体を用いてWB。結果、1D、2DともにNSFがニトロシル化修飾していることは証明されなかった。 リン酸化修飾は、Pro-Q Diamond染色を用い検出を試みたがNSFは染まらなかった。Pro-Qの検出感度以下であることも考え、アルカリフォスファターゼ処理を行い、リン酸基を外し脱リン酸化し、何らかの差が生じるか実験した。脱リン酸化処理をした2Dゲルとしないものを、それぞれNSF抗体を用いたWBでその発現部位の違いを確認。脱リン酸化するとNSFタンパクに等電点の移動が見られ、NSFはリン酸化修飾されていることが考えられた。
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