2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23791947
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
兵 行義 川崎医科大学, 医学部, 助教 (80412203)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 薬剤耐性菌 / 黄色ブドウ球菌 / 緑膿菌 / 細胞壁肥厚 |
Research Abstract |
従来より薬剤耐性菌と感受性菌において形態的違いはないと報告されてきた。しかし1997年VISA(Vancomycin-Resistant Staphylococcus aureus )の超微形態的特徴として細胞壁肥厚という特徴を有することが発表されて以来、細菌の細胞壁について注目されている。我々は耳鼻咽喉科領域で頻用されているマクロライド系抗菌薬(MLs)に対する耐性菌の細胞壁が肥厚する特徴を有することを発表し、様々な抗菌薬耐性菌の超微形態学的構造を検討している。それにより、VISAだけではなく他の抗菌薬耐性菌にも細胞壁肥厚という特徴を有していることが判明し、報告している。本学附属病院中央検査部より譲渡された外来患者から得られた臨床材料由来の黄色ブドウ球菌を集積、継代培養し、各種抗菌薬感受性検査を施行し、感受性の有無について検討する。それらの菌株をもとに臨床由来黄色ブドウ球菌の顕微科学的解析を常法に従って固定・脱水・包埋後ダイヤモンドナイフによる超薄切片をウルトラミクロトームを用いて作成し、透過型電子顕微鏡(TEM, JEM1400,同センター設置)にて超微形態を観察する。菌体観察像に対し赤道面で切れているものを選択し、その菌体の細胞壁の厚さを3か所以上計測した上で平均化して菌体の細胞壁の厚さと判定し、10菌体以上において得られた値を集積・平均化しその菌株の細胞壁の厚さとする。本学中央検査部にて分離された細菌のなかで、サーベイランスを実施し、緑膿菌をはじめとしたブドウ球菌以外の菌腫においても同形態変化が現れるのかどうかも合わせて検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床分離株の外来受診患者を採取し、また同一患者の重複を避けるために、時間を要し、採取が進んでいないのが実情である。しかし、その間に当院における緑膿菌のサーベイランスを実施し報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
アレルギー性鼻炎児の鼻前庭には黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌が付着率が高いために、通年性アレルギー性鼻炎の患者を対象にブドウ球菌の検出を行う。それとともに院内の耐性菌にサーベイランスを施行を継続する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現在対象とする菌株を収集中である。そのために前年度に購入予定であった、電子顕微鏡用のダイヤモンドナイフの研磨や購入を前年度は見送っていた。今回、菌株の収集ができれば、24年度請求の研究費と合わせ、主に電子顕微鏡観察に必要な消耗品にあてる予定である.
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