2011 Fiscal Year Research-status Report
ナノ粒子化した神経栄養因子を用いた顔面神経再生の研究
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23791950
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
三橋 亮太 久留米大学, 医学部, 助教 (50461439)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 神経栄養因子 / ナノ粒子化 / 顔面神経再生 |
Research Abstract |
当研究の目的は顔面神経の再生を促進する方法を確立することである。このために均一な麻痺モデルを作成する必要がある。この方法としてはモルモットを使用することとした。モルモットの顔面神経は側頭骨内において全長にわたって露出することが容易であり、均一な麻痺モデルを作成するために適している。手術手技に必要な環境を整備するために実体顕微鏡の確保と手術器具を一式購入した。また研究において最も重要であることは、強力な神経栄養因子を選択し、これをナノ粒子化し神経内に高効率に導入することである。最近の他の多くの研究でGDNFは非常に強力な神経栄養因子とされているためこれを使用することとし購入した。神経栄養因子のナノ粒子化にはコマーシャルベースの物質を利用する方法と、新しい物質により我々の必要としている性質を持つナノ粒子を作成する方法がある。コマーシャルベースのものは入手は容易であるかもしれないがその粒子のサイズや安定性が当研究に適しているとは限らない。そこで本研究には京都大学工学部で作成しているナノジェルを使用することとした。麻痺モデルへの薬剤の投与の機会は麻痺モデルの作成時の一回しかない。ナノジェルの利用により非常に高価な栄養因子をモルモットの体内で不活化することなく、再生に必要と思われる十分な期間徐放することが可能である。粒子のサイズの調整も可能であり、導入効率を上げることが可能である。これにより一度の治療手技で十分な治療効果が得られるのではないかと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
神経栄養因子のナノ粒子化の方法を決定するのに時間を要した。我々の必要としている性質を持つナノ粒子を作成してくれる施設を探し出し、ここに作成を依頼することは予想以上に困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
麻痺モデルの自然経過の検討と、従来の手術手技に準じて神経栄養因子を導入した治療群の経過の検討を行う。これとともに神経栄養因子のナノ粒子化を行う。これら2群と比較することで治療後の経過の差異を明らかとし、ナノ粒子化した神経栄養因子での治療効果を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
動物購入とその飼育費、神経栄養因子をナノ粒子化するための費用とナノ粒子化した試薬の性質に関する解析(半減期や物質のサイズその導入効率など)に費用を要する。
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