2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23791956
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
石羽澤 明弘 旭川医科大学, 大学病院, 医員 (50516705)
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Keywords | シェアストレス / 網膜血管内皮 / 網膜血流 |
Research Abstract |
ヒト網膜微小血管内皮細胞(HRMECs)をガラス板上に培養のうえ、平行平板型流れ負荷装置を用いて、層流のシェアストレスを負荷し、細胞の形態と機能的変化を検討し、網膜細動脈レベルの生理的に高いシェアストレスでは、網膜血管内皮細胞は血管拡張性に働き、また抗血栓性にも寄与していることをIOVSに2011年に報告した。網膜血管には、大動脈など他の臓器の血管よりも高いシェアストレスがかかっていることがこれまでの研究から明らかとなってきており、本研究の結果から、網膜循環の生理的状態を捉える上で重要な知見が得られたと考えられる。 また、我々は静脈~毛細血管レベルの低いシェアストレス、つまり静脈は毛細血管における血流低下による低灌流時の網膜血管内皮への作用を検討し、接着分子(ICAM-1、VCAM-1, E-selectin)、炎症性サイトカイン(IL-6,IL-8, MCP-1, PDGFなど)や凝固因子(組織因子やPAI-1など)の遺伝子発現がHRMECsで増加を確認した。この結果から、低いシェアストレスは網膜血管内皮細胞に炎症促進的に働き、主に静脈レベルでの白血球の接着など、病的循環障害における血管障害の一因となっている可能性が示唆された。この結果は2012年5月にアメリカで開催された国際学会ARVO2012、また7月のドイツで開催されたISER2012にて発表し、論文投稿中(in revision)である。 現在、網膜血管におけるシェアストレスが、網膜血管特徴的である血液網膜柵のタイトジャンクション形成にどの様に関与しているか検討を行っている。
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Research Products
(2 results)