2011 Fiscal Year Research-status Report
眼内増殖性網膜疾患病態解明に向けた硝子体細胞の機能解析と治療戦略
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23791963
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
西塚 弘一 山形大学, 医学部, 助教 (60422169)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 眼内増殖性疾患 / 硝子体細胞 / IL-1 alpha / ヒアルロナン / アポトーシス / IL-1 beta |
Research Abstract |
我々はこれまでに、ブタ硝子体細胞における炎症性サイトカインによるヒアルロナン産生制御、ブタ硝子体細胞と血管内皮細胞の共培養系における炎症性サイトカインの応答について検討し、増殖性糖尿病網膜症や増殖性硝子体網膜症などの眼内増殖性疾患に硝子体細胞、炎症性サイトカイン(主にTNF-alpha,IL-6,IL-1-alpha/beta,VEGF)、ヒアルロナンが関与している可能性を報告した。今年度は眼内増殖性疾患において眼内(硝子体内)で上昇するサイトカインの一つであるIL-1-alpha/betaと硝子体細胞・ヒアルロナンの関連を調べるために、IL-1-alpha/betaによるブタ硝子体細胞の反応性を、ヒアルロナン産生、細胞増殖について検討した。ブタ硝子体細胞において、IL-1-alpha/beta刺激による細胞増殖能への明らかな影響は認められなかった。IL-1-alpha/beta刺激によるヒアルロナン合成酵素(HAS2)の発現亢進がmRNAレベルで認められ、タンパク質レベルにおけるヒアルロナン産生促進も認められた。また、IL-1-alpha/beta刺激によるIL-6,VEGFの発現亢進がmRNAレベルで認められた。眼内増殖性疾患において、硝子体細胞が炎症性サイトカインによってヒアルロナンを産生し、これらが何らかの形で病態に関与している可能性が考えられた。今後は臨床検体からの検討が課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度同様、研究成果を1年に1回、アメリカで行われる眼科学会にて発表しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
眼内増殖性疾患の病態解明のために、硝子体手術時に得られる硝子体サンプルを用いてサイトカイン濃度の測定、病理学的検討を行い、これまで得られた分子細胞生物学的検討と比較する。治療時に得られた硝子体サンプルにおいて、これまで行ってきた眼内増殖生疾患と関連が考えられる炎症生サイトカイン(TNF-alpha,IL-6,IL-1-alpha/beta,VEGFなど)についてELISAを用いて濃度測定を行う。また、関連する硝子体細胞の検討のために病理学的検討を行う。得られたデータは、これまでブタ硝子体細胞による研究で得られた知見と比較し病態解明を試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験に必要な消耗品、研究成果発表のための旅費、論文作成時に必要な費用に当てる。消耗品は、硝子体サンプルのサイトカイン濃度測定のためのELISA測定キット、病理学的検討のための標本作製のための器具、抗体を主とする。研究成果発表はアメリカで行われるARVO(視覚と眼科学研究協会会議)での演題発表を予定する。論文作成時には英文校正を業者に依頼する。
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[Journal Article] Determinants and risk factors for central corneal thickness in Japanese persons: the Funagata Study.2011
Author(s)
Nishitsuka K, Kawasaki R, Kanno M, Tanabe Y, Saito K, Honma K, Oizumi T, Daimon M, Kato T, Kayama T, Yamashita H
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Journal Title
Ophthalmic Epidemiology
Volume: 18
Pages: 244-249
DOI
Peer Reviewed
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