2011 Fiscal Year Research-status Report
トロンボモジュリンの眼組織での作用研究とその臨床応用
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23791964
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
難波 広幸 山形大学, 医学部, 助教 (20455900)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | トロンボモジュリン |
Research Abstract |
トロンボモジュリンは眼科領域で作用をほとんど検討されていないため、その抗炎症作用や細胞接着作用、血管新生作用が眼の健常状態・病的状態においてどのような作用を有しているかを検討することは新たな眼科治療の開発に寄与する。本研究ではトロンボモジュリンの眼組織内での作用、またその組織特異性を明らかにする。その上でトロンボモジュリンの賦活・投与又は阻害によって、ぶどう膜炎や感染症などの眼炎症疾患の治療、手術後の創傷治癒の促進や緑内障手術後の濾過胞の生存率の向上など、臨床応用へつなげることを目標とする。 角膜実質細胞由来細胞株・強膜実質由来細胞株を用いて、トロンボモジュリンのそれぞれの細胞増殖に与える影響を検討したが、コントロールとトロンボモジュリン投与群とで有意差は認めなかった。 トロンボモジュリンの細胞接着に与える作用を検討したが、コントロールとトロンボモジュリン投与群とで有意な差は認められなかった。更なる実験条件の検討が必要と思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞生物学的実験に終始し、動物実験に取り組めていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
トロンボモジュリンヘテロ接合体欠損マウスをwild type のマウスと比較する。それぞれ角膜上皮剥離モデルを作成し、上皮欠損の消失までの期間を比較する。また1、3、5、7 日目に眼球を摘出、組織的に比較をし、プロテオグリカンやサイトカインの発現に関しては免疫染色を行う。角膜、強膜にそれぞれ裂創を作成した群も作成し、3、7、15、30 日目に眼球を摘出、同様に組織学的比較、免疫染色を行う。3~4 月齢のC57BL/6 マウスにて角膜上皮剥離モデルを作成し、0.01、0.1、1、10 ng/ml の濃度にPBS で希釈したトロンボモジュリン溶液を1 日4 回点眼で投与する。1、3、5、7 日目に眼球を摘出、組織的に比較をし、上皮接着・進展に対する影響や充血、角膜内血管侵入の有無を評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
細胞生物学的実験の消耗品、マウスの購入・飼育、組織学的検討の費用に充てる。
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