2011 Fiscal Year Annual Research Report
角膜血管新生、リンパ管新生における白血病抑制因子の役割
Project/Area Number |
23791968
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉崎 顕史 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40361480)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2012-03-31
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Keywords | 眼生化学 / 分子生物学 |
Research Abstract |
本研究では角膜血管・リンパ管新生のメカニズムにおける白血球抑制因子(LIF)の角膜血管新生のメカニズムにおけるLIFの関与とその機能について検討することを目的としている。 まず角膜血管新生時におけるLIF、およびその受容体(LIFR)の発現を調べるため、通常マウスの角膜に角膜に10-0ナイロン糸を通糸し角膜に血管、リンパ管新生を誘導したモデルを作成。コントロールとして無処置眼、通糸後1,3,7日後の眼球から角膜を摘出。摘出した角膜にIsogenを用いてmRNAを抽出、逆転写酵素にてc DNAを作成し、それを鋳型にLIF,LIFRの特異的プライマーにてリアルタイムPCRを行った。また眼球の一部はOCT compoundやパラフィンに包埋し、Cryostadtで組織切片を作製し、角膜血管新生モデル中および正常角膜のLIFおよびLIFRの局在を免疫組織化学染色で比較検討を行った。 結果正常角膜においてもLIF,LIFRともmRNAレベルでの発現が確認されたが、通糸後1,3日と日数の経過に従いでLIF,LIFRのmRNAの発現の有意な増加がみられた。 組織学的には、正常角膜の内皮面へLIFの発現を認め、LIFRは角膜内皮、上皮基底部に主に発現していることが確認され、角膜血管新生モデルにおいてはLIFの実質内での発現、LIFRの上皮基底部での発現が正常角膜に比べより明確になっていたこれらの結果からLIFが角膜血管新生の過程で何らかの役割を果たしていると考えられ、特に実質内のLIF,上皮基底部のLIFRの発現が著明に増加していたことから、角膜に炎症反応が生じた際に実質内のkeratocyteからLIFが産生され、上皮基底部のreceptorに取り込まれるということが推察された。 その後LIF-/- miceを用いて同様の角膜血管新生モデルを作成し、通常のマウスでのモデルとの比較を行っている途中であり現在までのところLIF-/- miceで新生血管量が多い傾向がありそうであるが、十分な量のマウスの確保がまだできておらず今後も継続してデータ数を増やす必要があるところであるが研究者の学外への異動により途中で研究廃止となった。
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