2012 Fiscal Year Annual Research Report
角膜菲薄化疾患に対するコラーゲンクロスリンキングによる人工角膜実質移植の検討
Project/Area Number |
23791970
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮井 尊史 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40599007)
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Keywords | 角膜クロスリンキング |
Research Abstract |
角膜クロスリンキング後硬度の評価系の確立を目的として、摘出豚眼を用いてレオメーターを用いた基礎実験を行った。コントロール眼、紫外線による角膜クロスリンキング(上皮を剥ぐ方法と剥がない方法)それぞれについての計測を行ったが、固定部位の問題があり、再現性が得られなかったため、固定リングのサイズを変更するなど固定方法について変更を行ったが、不十分な結果であったため、レオメーターは評価系として使用しない方針となった。 白色家兎に角膜クロスリンキングを行った後、糸かけによる血管新生の検討を行った。コントロールと比較しても角膜クロスリンキングによる血管新生促進または抑制効果は認められなかった。 紫外線照射を利用した角膜クロスリンキングの白色家兎への効果の検証を行った。(1)スペキュラーマイクロスコープによる角膜内皮細胞密度測定、(2)前眼部光干渉断層計による断層像の観察、(3)透過型電子顕微鏡による検討について、上皮を剥ぐ方法及び剥がない方法についてそれぞれ行った。(1)角膜内皮細胞密度は術前に比べ、著明な減少は見られなかった。(2)前眼部光干渉断層計による断層像の観察では角膜がクロスリンクされている領域とされていない領域の境界とされるデマルケーションラインの観察ができた。上皮を剥ぐ方法の方が剥がない方法に比べデマルケーションラインの位置は深い位置に見られた。(3)透過型電子顕微鏡における検討では、コラーゲン繊維間の架橋について角膜浅層の法が深層より多い傾向が見られ、深層では上皮を剥ぐ方法の方が剥がない方法よりやや多い傾向がみられた。 人工角膜実質の補填剤として、アテロコラーゲン、紫外線硬化樹脂、光重合コンポジットレジンを用いる検討は引き続き継続中である。
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