2011 Fiscal Year Research-status Report
加齢黄斑変性症患者における感受性遺伝子とサイトカインの関連性
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23791972
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
櫻田 庸一 山梨大学, 医学部附属病院, 助教 (90456476)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 加齢黄斑変性症 / サイトカイン / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
加齢黄斑変性症は,遺伝的要因に複数の環境的要因が影響することによって発症すると考えられている。本研究では,全身的及び眼房水中のサイトカイン濃度と加齢黄斑変性症感受性遺伝子との関連性に関して分析することを目的とした。平成23年は,患者サンプル(血液,血漿,眼房水)の収集と眼房水のサイトカイン分析,及び加齢黄斑変性症の感受性遺伝子の解析を行った。加齢黄斑変性症の感受性遺伝子の解析に関しては,ARMS2,CFH,rs1713985及びrs13278062の遺伝子多型解析を行った。ARMS2,CFH,rs1713985に関しては加齢黄斑変性症と非常に強い遺伝子多型であることが確認できたが,rs13278062は,加齢黄斑変性症との関連性は認められなかった。また,眼房水の解析に関しては,複数の分析したサイトカインの内で,CRPとinterfern gunmma inducible protein(IP)-10濃度 は,control眼と比較して,年齢,性別,眼軸長を補正しても,血管新生加齢黄斑変性症(AMD)とポリープ状脈絡膜血管症(PCV)眼において有意に高いことが確認された。特に房水中IP-10濃度は,AMD及びPCVの病変面積と有意に相関しており,今後更に症例数を増やしての検討が必要であると考えられるが,IP-10に関しては加齢黄斑変性症の新しい治療targetになる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サイトカインの分析に関しては,血漿成分及び前房水のサイトカインに分類されるが,前房水中のサイトカイン分析に関しては,平成23年度に順調に進展しており問題はないと考えられるが,血漿成分の分析に関しては,まだ行っておらず平成24年度に行いたいと考えている。まだ,症例数が多くないため遺伝子多型とサイトカインの関連性に関しては分析は行っていないが,CFHやARMS2遺伝子多型のgenotypinも行っているため,研究の進捗状況は順調に推移していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究は,平成23年度に行ったELISAによる前房水中のサイトカインの定量だけではなく,末梢血から抽出した血漿成分のサイトカインを定量し,コントロール患者と比較して加齢黄斑変性症患者において全身的に上昇しているサイトカインをELISAにより同定する。特に加齢黄斑変性症患者において前房水中で上昇していたCRPとIP-10に関しては,血漿成分におけるサイトカイン濃度と前房水中サイトカインの関連性に関しても検討を行う予定である。また加齢黄斑変性の感受性遺伝子との関連性に関しても,検討を行う予定である。特に房水中CRPやIP-10濃度とARMS2,CFH遺伝子多型との関連性の有無に関しても詳細な分析を行いたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究の使用計画に関しては,主に研究物品の購入が主であり,サイトカインの分析に使用するELISA kitの購入と遺伝子多型解析分析に必要なDNA抽出kitやTaq Mann genotyping assay等の購入に充てる予定である。昨年度は,サンプル数が集まらなかったためにELISA KITの購入の費用が少額で済んだが,今年度はサンプル数が順調に増えているために前年度繰り越しとしてELISAキットの費用に充当する予定である。
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Research Products
(9 results)