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2012 Fiscal Year Annual Research Report

腫瘍関連網膜症の新たな診断法の確立と病態の解明

Research Project

Project/Area Number 23791977
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

上野 真治  名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80528670)

Keywords腫瘍随伴網膜症 / 網膜電図 / 双極細胞 / 細胞死
Research Abstract

前年度、抗TRPM1 抗体を認めた腫瘍関連網膜症患者の血清をマウス硝子体内に投与すると双極細胞と思われる細胞の変性が生じることを網膜電図、光学顕微鏡、電子顕微鏡のレベルで検討した。最終年度の研究内容は、網膜の内顆粒層の細胞の異常の検討、及び双極細胞の変性を生じるメカニズムとして補体の影響について検討を行った。
内顆粒層の外層側にある、ON型双極細胞と水平細胞またミューラー細胞の検討を免疫組織学的手法をもちいて行った。ON型双極細胞のマーカーは、PKCαを用いてにて免疫染色をおこなった。PKCαによる染色は患者血清投与後5時間では確認されたが、24時間後では染色は消失し、3か月後の検討でも染色が回復することはなかった。このことからON型双極細胞は血清投与後24時間ほどで変性、消失することが予想された。水平細胞のマーカーはカルビンディンを用いた。カルビンディン染色は患者血清を投与したものとコントロール血清を投与したもので3か月後でも差異はなく、水平細胞の変性は生じないことが分かった。ミューラー細胞はGFAPにて染色を行った。患者血清、コントロール血清を投与した両群で同様の染色が見られた。以上のことから、前年度に確認された変性はON型双極細胞の特異的な変性であることが確認された。
また、血清の作用機序を探索する目的で、患者血清、血清から抽出したIgG、56度30分にて補体を失活させた血清をマウス硝子体内に投与しON型双極細胞が変性を網膜電図を用いて検討した。その結果、抽出したIgG、補体を失活させた血清を投与したするとERGに変化をきたさなかった。このことから血清中の抗体は補体との作用により網膜変性を生じさせることが分かった。
今回の研究により、マウス硝子体内に血清を投与することにより、患者に起きている現象を再現できる可能性が示され、腫瘍関連網膜症の網膜障害の機序が一部解明された。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 腫瘍随伴網膜症における抗TRPM1自己抗体の双極細胞障害の機序

    • Author(s)
      上野 真治
    • Organizer
      第116回日本眼科学会総会
    • Place of Presentation
      東京国際フォーラム
  • [Presentation] 腫瘍随伴網膜症におけるON型双極細胞障害の機序

    • Author(s)
      上野 真治
    • Organizer
      第60回日本臨床視覚電気生理学会
    • Place of Presentation
      名古屋ミッドランドホール

URL: 

Published: 2014-07-24  

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