2012 Fiscal Year Annual Research Report
補償光学適用走査レーザー検眼鏡による萎縮型加齢黄斑変性の病態解析と治療評価法開発
Project/Area Number |
23791979
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大音 壮太郎 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10511850)
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Keywords | 加齢黄斑変性 / 眼底イメージング / 視細胞 / 補償光学 |
Research Abstract |
①健常眼におけるAO-SLOの撮影:健常眼における黄斑部視細胞の細胞密度、細胞形態に関するデータを蓄積した。対象者は20-76歳の健常者とし、各年代8~12名のボランティア募集を行い、のべ60名撮影を行った。Early Treatment Diabetic Study Group (ETDRS)で定められた各セクターの平均視細胞密度・視細胞配列に関する正常データベースを構築した。 ②萎縮型加齢黄斑変性患者眼におけるAO-SLOの撮影:患者眼における黄斑部視細胞の細胞密度、細胞形態に関するデータを蓄積した。42名撮影し、経時的変化を観察するため、6ヶ月に一度検査を行った。ETDRSで定められた各セクターの視細胞像を取得し、2回目以降の撮影では初回と同部位を測定した。萎縮型加齢黄斑変性患者では正常眼に比べ、有意に視細胞密度が低下し、視細胞配列の規則性が低下していた。 ③視細胞の形態と機能の相関に関する検討:AO-SLOで得られた健常眼および萎縮型加齢黄斑変性患者眼における黄斑部視細胞の細胞密度、細胞形態と、眼底自発蛍光シグナルとの関連およびSD-OCTにより得られた黄斑部網膜の3次元立体構造(全網膜厚・外顆粒層厚・視細胞外節厚)との相関を検討した。眼底自発蛍光が過螢光となる病変の境界部位で、視細胞パラメータの異常が顕著であることが判明した。 ④AO-SLOによる萎縮型加齢黄斑変性診断プログラムの開発:AO-SLOから得られた正常眼および萎縮型加齢黄斑変性の病理眼データから、視細胞異常領域を自動判定するソフトウェアを開発した。本ソフトウェアにより客観的に疾患の進行を判定することができるようになった。またこのアルゴリズムは黄斑円孔など他の疾患眼でも応用可能なことが示された。
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Research Products
(9 results)