2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23791983
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
金森 章泰 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (10444572)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 該当無し |
Research Abstract |
正常のラット網膜・視神経におけるsyntaphilinの局在を免疫染色法にて確認した。網膜内においては,網膜神経節細胞(RGC)のマーカーであるNeuNとアストロサイトのマーカーであるGFAPと共存したため,RGCの細胞体とアストロサイトに存在することが証明された。視神経内ではその軸索に沿ってGFAPと共存し,syntaphilinはアストロサイトに存在することが確認された。その他,オリゴデンドロサイトや神経線維のマーカーとは共染色しなかった。RGCのセルラインであるRGC-5においても細胞質にsyntaphilinが存在することが確認された。RGC-5にて血清除去を行うことで細胞死を誘導し,syntaphilinの変化をリアルタイムPCR,免疫染色で検討したが,有意な変化はみられなかった。 ラット視神経切断モデルにおいて,リアルタイムPCRを用いて遺伝子レベルでの変化を検討した。網膜内におけるsyntaphilinの有意な変化はみられなかったが,視神経では,視神経切断群で対照に比べ,有意に減少した。また,視神経切断群でのsyntaphilinの減少は免疫染色にても明らかであった。 軸索輸送を止める働きをもつといわれるsyntaphilinはin vivoでは軸索周囲のアストロサイトにも存在することが初めて本実験により証明された。軸索障害をあたえるとその発現が低下することから,ニューロン・グリア間の相互作用に何らかの働きをsyntaphilinは有しており,syntaphilinが低下することで軸索輸送障害を抑制する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初syntaphilin抗体をサンタクルーズ社から購入し,各種実験を行ったが,明らかな免疫染色陽性を得ることができなかった。別の会社から新たにsyntaphilin抗体が発売され,それを用いて初めて有意な結果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
別の動物モデル,例えば慢性高眼圧や虚血再灌流モデルで同様の実験を行う予定である。これらはRGCのアポトーシスと軸索消失という病態は同じであり,それらに共通した変化がsyntaphilinで見られるかどうかを検討する。また時間軸を追い,その経時的変化を検討する。RGC-5において,syntaphilinをノックダウンし,細胞死へのかかわりをLive/dead assay, caspase-3染色を用いて検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今後の実験の試薬等物品購入費や旅費,また,実験助手雇用のための人件費に使用する。結果をまとめ,各種学会への発表,参加費用,論文投稿費用に使用する。
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Research Products
(5 results)