2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23791987
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
濱崎 一郎 岡山大学, 大学病院, 助教 (50600532)
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Keywords | 斜視 / 眼球運動測定 / 3次元画像解析 / 外眼筋固有感覚 |
Research Abstract |
斜視患者の眼位・眼球運動を測定できる3次元(水平、垂直、回旋成分)のビデオ画像解析システムを完成させた。頸眼反射の影響を最小限にするため47gの検眼鏡(ハセガワ・ビコー, JAPAN)に軽量109gで秒間60フレームでカラーの高画質(FX 1,920×1,080ピクセル, 60i)録画可能なデジタルスチルカメラDSC-TX55(SONY,JAPAN)を片眼づつにそれぞれ2台搭載し、高解像度プロジェクターVPL-VW90ES(SONY,JAPAN)によって映しだされた光源目標を被験者の眼がハーフミラーを通して固視可能な測定装置の開発・改良を行った。この3次元眼球運動ビデオ画像解析システムを用いて、健常者に対して撮影を試み、精度の高い測定できるように改良を繰り返した。超小型高輝度白色LEDを用いることで眼球に反射する照明によるアーチファクトの軽減、虹彩紋理が明確化された。装置としては、改善の余地を残すものの完成に至った。ただ、残念ながら期間中にこの装置を用いて健常者および患者のデータを収集し解析できなかったため、今後の継続して研究を続けていく予定である。 完全暗室下で外眼筋固有知覚を測定する予定であったが、上記の装置の開発が遅れたため、特殊な装置を用いず前方から高解像度カメラを用いて眼位を測定することを試みた。外眼筋には骨格筋とは違うものの固有知覚の受容体がいくつか組織学的に存在する。外眼筋切除術・移動術後には筋の固有知覚が変化している可能性がある。眼位は視覚入力の影響を受けるため、固有知覚のみからの眼位を測定するには、視覚刺激除去下(完全暗室下)で測定することが必要となる。ヒトで完全暗室下に眼位を測定し、”中心と思っている眼位”がどうか調べた。これも十分なデータは収集できてはいないが、臨床的に判定される優位眼との測定眼位との間に違いが見られた。ただし、より測定精度の高い方法を考える必要がある。
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