2011 Fiscal Year Research-status Report
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23791989
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
森重 直行 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40346565)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 瘢痕形成 / 角膜実質 / 筋線維芽細胞 / 水疱性角膜症 |
Research Abstract |
平成23年度は,水疱性角膜症患者角膜の角膜実質における瘢痕形成の有無について検討した。水疱性角膜症患者角膜20例20眼(男性11例女性9例,年齢44-89歳,平均66.3+/-11.6歳)を対象とした。全層角膜移植時に得られた患者角膜に対し免疫染色を行い,角膜内におけるalpha-SMAの発現を観察し,診療録から得られた臨床的角膜実質浮腫期間と比較検討した。角膜実質内にalpha-SMA陽性細胞が観察されたのは,10眼(50%)であった。alpha-SMA陽性細胞が観察されなかった角膜の臨床的角膜実質浮腫期間は11.9+/-4.5ヶ月であったのに対し,alpha-SMA陽性細胞が観察された角膜の臨床的角膜実質浮腫期間は35.0+/-17.2ヶ月で有意に長かった(p=0.002,Student's t検定)。臨床的角膜実質浮腫期間12ヶ月前後でのalpha-SMA陽性細胞の発現を比較すると,12ヶ月を過ぎると有意にalpha-SMA陽性細胞の発現がみられた(p=0.03,Fisherの直接法)。水疱性角膜症では,角膜実質細胞が線維芽細胞や筋線維芽細胞に形質転換していることが明らかとなった。水疱性角膜症における筋線維芽細胞の発現は瘢痕形成に関与し,角膜実質の不可逆的な混濁の原因になることが示唆された。今回の検討から,角膜実質浅層における筋線維芽細胞の発現およびそれに伴う瘢痕形成が,角膜実質浅層で起こることが示された一方で,その他の部位における角膜実質の瘢痕形成についての検討の必要性が浮き彫りとなった。今後,角膜実質全体の瘢痕形成について検討を行うこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度においては,当初予定していた通りの研究を行い,達成することができた。また,次年度以降の問題点も浮き彫りとなり,研究としては非常に効果的であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで得られた水疱性角膜症検体における瘢痕形成を,筋線維芽細胞の発現だけでなく,コラーゲン線維束の構造異常についても併せて検討していこうと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度同様,試薬の購入費用に充てる予定にしている。可能であれば,動物実験モデルの作成を行うための動物飼育費等にも充足したいと考えている。昨年度はタンパク解析のための試薬について当初予定している物とは異なる物を購入したことから未使用額が生じた。なお,この未使用額については次年度の試薬購入費用に加えて使用する。
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