2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23791989
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
森重 直行 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40346565)
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Keywords | 水疱性角膜症 / 角膜実質 / 瘢痕 / 第二次高調波発生 |
Research Abstract |
前年の検討で,水疱性角膜症(BK)の角膜実質においてalpha-smooth muscle actin陽性の筋線維芽細胞(MFb)が発現することを示した。この検討は実質浅層に限局するものであり,実質全体が浮腫状となるBKでは実質全体の評価が必要であると考えられる。そこで,実質深層のMFbの発現の有無およびコラーゲン線維束構造を観察し,その構造異常の検出と異常を来たす要因について検討した。2008年9月から2011年8月までの期間に山口大学医学部附属病院で全層角膜移植を施行したBK角膜17例17眼(男性6例女性11例,44~85歳,平均65.2歳)および正常角膜(男性3例女性3例,48~69歳,平均63.7歳)を対象とした。中央部角膜から角膜ブロックを作成,第2次高調波発生顕微鏡およびレーザー共焦点顕微鏡を用いて角膜実質コラーゲンおよびMFbを可視化し,後部実質の構造を解析した。実質深層のコラーゲン線維束構造は,正常角膜および実質浮腫期間の短い群ではデスメ膜に対し均一な平行構造を有していた。実質浮腫期間の長いBK検体の実質深層ではコラーゲン線維束構造の乱れによる異常構造を検出した。また,正常角膜及び実質浮腫期間の短いBK検体では実質深層のMFbの発現は見られなかったが,実質浮腫期間の長いBK検体からMFbへの分化転換を示すalpha-smootn muscle actinの発現が見られた。これらの異常構造は,角膜実質浮腫期間が長い検体に多く見られた。これらの検討から,BKにおけるMFbの出現を伴う実質瘢痕形成は実質全体に見られ,その発現は浮腫期間依存性であることが示された。これまでの臨床研究から,実質浮腫が長い症例に対する内皮移植を施行すると術後の視力回復が不十分であることが分かっており,これらの実質における瘢痕形成が臨床的にも視力回復に影響していることが示唆された。
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[Presentation] 新しい前眼部診断機器2012
Author(s)
森重 直行
Organizer
西日本オキュラーサーフェスクラブ2012
Place of Presentation
ホテル日航福岡(福岡)
Year and Date
20120512-20120512
Invited
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