2012 Fiscal Year Research-status Report
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23791990
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宮崎 勝徳 九州大学, 大学病院, 助教 (40380638)
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Keywords | 遺伝子治療 |
Research Abstract |
今年度は、前年度に引き続き、各種導入効率評価用、および治療用遺伝子導入ベクターの構築を行った。具体的には眼内投与後の遺伝子導入・発現効率の検証、および治療用ベクターの効果判定基準用のコントロールベクターとして、LacZ、GFP遺伝子を搭載したSIVagm-VSVG, SIVagm-F/HNを構築する。治療用ベクターとしては、神経保護因子2種PEDFおよびFGF2、および血管新生抑制因子sFlt-1を搭載遺伝子とし、各々を搭載した発現ベクター2種(SIVagm-VSVG, SIVagm-F/HN)を構築した(計6種)。さらにベクターの培養型における生物活性の検討を行った。すなわち、新規ベクターの生物活性を、標的細胞である網膜神経節細胞(ラット眼球よりELISAにて採取)、網膜色素上皮細胞(ヒト・ARPE-19細胞株)を用いて培養系での検討を行った。具体的には、①標的細胞への導入効率の検討、②感染細胞における目的遺伝子の発現、および発現蛋白(PEDF, FGF2, sFlt-1)外分泌の確認、③感染細胞への導入による細胞障害の有無の検討を行い、良好な導入発現効率が得られ、細胞毒性のないベクターの至適濃度を確認した。引き続き、ラット等の動物を対象とし、作成した各種ベクターを用いて硝子体切除併用による遺伝子導入・発現特性を検討する予定であったが、他業務等への従事時間の増加のため、遂行に遅れが生じている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度、ベクターの培養系における生物活性の検討、および動物を対象とした硝子体手術併用による生体内遺伝子導入・発現特性の検討を行い、動物モデルを対象とした遺伝子治療実験を予定であった。しかし、生体内遺伝子導入・発現特性の検討を行っている際、他業務等への従事時間の増加のため、当初想定した期間内に、生体内遺伝子導入・発現特性の検討を終えることができず、現在も継続して検討を行っている状況である。なお、未使用額については、平成25年度に継続して行う、生体内遺伝子導入・発現特性の検討動物モデルをを対象とした遺伝子治療実験の経費として使用する。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、前年度に引き続き、ベクターの培養系における生物活性の検討、および動物を対象とした硝子体手術併用による生体内遺伝子導入・発現特性の検討を行い、動物モデルを対象とした遺伝子治療実験を予定する。具体的には 新規ベクターの生物活性を、標的細胞である網膜神経節細胞(ラット眼球よりELISAにて採取)、網膜色素上皮細胞(ヒト・ARPE-19細胞株)を用いて培養系での検討を行う。さらにラットを対象とし、作成した各種ベクターを用いて硝子体切除併用による遺伝子導入・発現特性を検討する。具体的には硝子体切除術後に硝子体内投与、さらに一定時間経過後に硝子体内をwash outすることで、その導入動態を検討する。さらに投与ベクター濃度を各段階設定し、詳細な検討を行う。以上を踏まえ、良好な導入発現効率が得られるようであれば、緑内障、加齢黄斑変性モデルを用いた治療実験へと移行する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
in vitroの実験としての細胞培養系、試薬として使用する。またラットを中心とした動物購入を検討する。さらに実験系の取得、また当該研究に関連した学会参加・発表の経費、論文作成としても使用する予定である。
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