2011 Fiscal Year Research-status Report
P2X7レセプター選択的阻害剤BBGを用いたアポトーシス抑制による網膜神経保護
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23791991
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Research Institution | National Hospital Organization, Kyushu Medical Center (Clinical Institute) |
Principal Investigator |
久冨 智朗 独立行政法人国立病院機構九州医療センター(臨床研究センター), その他部局等, その他 (50404033)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 眼細胞生物学 |
Research Abstract |
<P2X7レセプター選択的阻害剤BBGを用いたアポトーシス抑制による網膜神経保護>我々は様々な網膜疾患で、神経細胞がアポトーシスを起こし、ミトコンドリアに局在するアポトーシス促進因子の核内移行が重要な役割を果たすことを報告したが、この実行過程を効果的に抑制することは困難である。臨床研究において近年BBG にはP2X7 受容体の非生理的阻害作用があることが解ってきた。今回、神経細胞のアポトーシスのより初期の過程である細胞表面チャンネル抑制による染色剤BBG の神経保護効果について検討をすすめた。<網膜由来神経細胞初代培養系を用いたin vitro の実験>細胞死の刺激としては神経培養液中の神経栄養因子B27 supplementを除去した低栄養刺激と腹腔より誘導したマクロファージを添加する細胞傷害刺激を用意し、P2X7 レセプターを介してCa イオンの流入により細胞死が誘導されることを確かめた。細胞内へのCaイオン流入は細胞死のかなり早い時期に既におこり始めることを発見した。この過程で細胞膜の透過性亢進、Caspase やcytochrome c、AIF 等アポトーシス関連シグナル伝達分子の挙動を確認した。同様の実験をP2X7 knockout マウスを用いて検討し、P2X7 レセプターの選択性を裏付けを進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
網膜初代培養系は無事確立することができ、順調にすすんでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度は培養細胞系において細胞死のメカニズムについて明らかにすることができた。本年度はこのメカニズムについてこの分子の関与を明らかにするとともに、当初の計画に基づいて動物実験において同様の作用機序を確かめる。またこれらの仮説の裏付けを得るために、同様の細胞培養、動物実験をP2X7受容体ノックアウト動物を用いて確認する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の計画に基づき、研究試料、論文投稿費、学会旅費等に使用予定である。
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Research Products
(6 results)