2013 Fiscal Year Annual Research Report
siRNAによる緑内障モデルラットにおける視神経節保護効果の検討
Project/Area Number |
23791992
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
石川 慎一郎 佐賀大学, 医学部, 助教 (00404129)
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Keywords | 緑内障 / 神経保護 / siRNA |
Research Abstract |
研究全体を通して、caspase-3に対するsiRNAおよび、caspase-9に対するsiRNAの硝子体注入は、網膜虚血再還流によって生じる、網膜視神経節細胞の消失を抑制することが確認された。一方で、この抑制効果は短期的な経過において有意差を認めたが、長期的には抑制傾向は認められるが優位さは認められなかった。このことから、caspase-3に対するsiRNAまたは、caspase-9に対するsiRNAの網膜虚血再灌流による、視神経節細胞の保護効果は短期的に留まる可能性が示唆された。これに対して、siRNAを生体内での分解を抑制し徐放効果を有する、アテロコラーゲンについて、網膜毒性がないことを予備実験で確認を行い、caspase-3に対するsiRNAとアテロコラーゲンによって構成された複合体を作成して、網膜虚血再灌流における視神経節細胞の神経保護効果の検討を追加して行ったが、複合体による効果の延長による、神経保護効果の増強は有意には認められなかった。この結果を受けて、より短期間の網膜虚血再灌流モデルによる、caspase-3に対するsiRNAの網膜視神経節細胞の保護効果を検討し、短期間の網膜虚血再灌流モデルで、以前の長期間の網膜虚血再灌流モデルと比較して、より強い神経保護効果を認めた。本研究の結果からcaspaseに対するsiRNAによる、虚血再灌流による網膜視神経節細胞の障害抑制効果の傾向が確認された。今後、さらなる薬剤の作用条件の検証により、網膜視神経節細胞に対して障害を与える疾患に対する治療薬の開発が期待される。
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Research Products
(1 results)