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2011 Fiscal Year Research-status Report

角膜におけるIL-6トランスシグナリングの役割と病態との関連について

Research Project

Project/Area Number 23792010
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

崎元 暢  日本大学, 医学部, 助教 (20465272)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords角膜 / IL-6レセプター / 炎症 / 抗体点眼
Research Abstract

炎症性サイトカインであるIL-6は、細胞から放出された可溶性(soluble) IL-6R(sIL-6R)とIL-6+sIL-6R複合体を形成し、IL-6の共役レセプターであるgp130を介してIL-6Rを発現していない細胞にも結合しシグナル伝達する、IL-6トランスシグナリングという独特のシグナル伝達機構を有している。 当該年度研究では、角膜におけるIL-6トランスシグナリングの役割を検討するために、マウスアルカリ外傷角膜にIL-6トランスシグナリング特異的な細胞内シグナル(STAT3リン酸化)が生じるか検討すると共に、アルカリ外傷角膜に対してsIL-6Rと細胞膜上のIL-6R双方を阻害する作用を持つ抗IL-6R抗体を点眼することでIL-6トランスシグナリング阻害効果について研究を行った。 その結果、マウスアルカリ外傷角膜においては、角膜実質中にリン酸化STAT3陽性細胞がみられた。また、抗IL-6R抗体点眼によって、角膜血管新生や角膜実質中のリン酸化STAT3陽性細胞や炎症細胞の浸潤、角膜実質中の炎症関連分子であるVEGF-A、MCP-1、ICAM-1などの発現低下を認めた。 このことは、角膜炎症においてIL-6Rを介したIL-6トランスシグナリングが大きな役割を果たしていることを示しているとともに、角膜炎症に対する抗IL-6R抗体点眼が有用性を持つことを示す結果となった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

上述した研究結果はすでに英文論文として出版されたため、当初の計画以上に進展していると判断した。研究計画書に記載した、研究1:IL-6トランスシグナリングが角膜線維芽細胞に及ぼす影響(in vitroにおける検討)、研究2:前眼部炎症におけるIL-6トランスシグナリング(動物モデルにおける検討)、研究3:前眼部炎症におけるIL-6トランスシグナリング(臨床例における検討)の3研究のうち、研究2はこれで目標を達成したと考えられる。

Strategy for Future Research Activity

研究計画書に記載した、研究1:IL-6トランスシグナリングが角膜線維芽細胞に及ぼす影響(in vitroにおける検討)、研究2:前眼部炎症におけるIL-6トランスシグナリング(動物モデルにおける検討)、研究3:前眼部炎症におけるIL-6トランスシグナリング(臨床例における検討)の3研究のうち、研究2は目標を達成したと考えられるため、研究1の培養角膜実質細胞を用いた研究と研究3の臨床検体を用いた研究を継続したいと考える。研究1では、培養角膜実質細胞をIL-6トランスシグナリングで刺激するとVEGF-AがIL-6/IL-6R濃度依存性に賛成増強することを明らかにしたため、今後はほかのサイトカイン・ケモカインについても検討する。研究3では炎症性の前眼部疾患の涙液中のsIL-6R濃度、さらにIL-6濃度さらにIL-6/sIL-6R複合体の阻害因子である可溶性gp130(sgp130)濃度を検討していく。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究1:IL-6トランスシグナリングが角膜線維芽細胞に及ぼす影響(in vitroにおける検討)では、培養角膜実質細胞から産生されるサイトカイン・ケモカインについて測定するための試薬などを購入する予定である。研究3:前眼部炎症におけるIL-6トランスシグナリング(臨床例における検討)では炎症性の前眼部疾患の涙液中のsIL-6R濃度、さらにIL-6濃度さらにIL-6/sIL-6R複合体の阻害因子である可溶性gp130(sgp130)濃度を検討するために、蛍光ビーズアレイ法などの検出キットを購入する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2012 2011

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Anti-inflammatory effect of IL-6 receptor2012

    • Author(s)
      Sakimoto T, Sugaya S, Ishimori A, Sawa M
    • Journal Title

      Experimental Eye Research

      Volume: 97 Pages: 98-104

    • DOI

      10.1016/j.exer.2012.02.015

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Regulation of soluble interleukin-6 (IL-6)2011

    • Author(s)
      Sugaya S, Sakimoto T, Shoji J, Sawa M
    • Journal Title

      Japanese Journal of Ophthalmology

      Volume: 55 Pages: 277-282

    • DOI

      10.1007/s10384-011-0002-x

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Metalloproteinase and corneal diseases2011

    • Author(s)
      Sakimoto T
    • Organizer
      17th annual meeting of the Kyoto Corneal Club.
    • Place of Presentation
      都ホテル京都(京都)
    • Year and Date
      2011年12月2日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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