2012 Fiscal Year Annual Research Report
SAM系新規緑内障モデルにおける神経特異性上皮増殖因子制御と軸索伸展機構の解明
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23792016
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
宗正 泰成 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (30440340)
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Keywords | 網膜 / 老化 / 神経 |
Research Abstract |
本研究では正常眼圧緑内障自然発症動物モデルを想定したマウスの視神経変性における神経特異性上皮増殖因子(Nell2)の制御機構を解析し、視神経軸索保護及び軸索伸展への応用を試みる。老化促進モデルマウスのSenescene-accelerated mouse (SAM)は早期から酸化ストレスにより神経変性を来たすマウスで、記憶障害をはじめ種々の感覚障害を生じる。本研究ではSAMP8, SAMP10に着目し網膜神経節細胞変性を組織学的・分子生物学的に解析した。生後1か月ではそのコントロールマウスであるSAMRと網膜神経節細胞数に変化はないが、生後3か月でSAMP8及びSAMP10における網膜神経節細胞数の有意な減少が見られた。また網膜神経節細胞をmagnetic beadsを用い単離後、immuno blotでNell2の発現を解析すると、SAMP8及びSAMP10で有意な減少が見られた。この結果は網膜神経節細胞死にNell2の減少が関与していることを示唆した。次にNell2の相互分子同定のため、網膜蛋白抽出液を用いNell2抗体でimmunoprecipitation(IP)を行い、Mass spectrometryにて質量分析を行ったところMACF1が検出された。MACF1の局在を免疫染色にて確認したところThy-1陽性網膜神経節細胞に認められ、さらにNell2と共存を示した。この結果よりNell2の制御にはMACF1が何らか関与していることが示唆された。Nell2の神経保護効果はelectroporationにて網膜神経節細胞にNell2を強制発現後、視神経挫滅を作成し検討した。Nell2強制発現により視神経挫滅による網膜神経節細胞死の減少がみられ、神経保護効果が認められた。
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