2013 Fiscal Year Annual Research Report
眼内血管形成における可溶型VEGF受容体の役割:個体レベルでの解明
Project/Area Number |
23792017
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
池田 崇之 金沢医科大学, 医学部, 講師 (00374942)
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Keywords | 可溶型Flt-1 / HMVEC / RNA結合タンパク質 |
Research Abstract |
1. 可溶型Flt-1産生制御タンパク質(群)の血管新生における役割 平成24年度にhnRNP Dが可溶型Flt-1の産生を制御しているタンパク質である可能性を示したので、1) hnRNP DがFlt-1 pre-mRNAに結合していること、2) 低酸素状態ではFlt-1 pre-mRNAに結合するhnRNP Dが増加することによって可溶型Flt-1産生が抑制されること、を検証した。RNA immunoprecipitation法によりhnRNP DとFlt-1 pre-mRNAが共沈してくることから、hnRNP DはFlt-1 pre mRNAに結合していることが明らかとなった。さらに、通常酸素濃度と低酸素濃度でhnRNP Dに結合するFlt-1 pre-mRNA量を定量したところ、通常酸素濃度に比べ低酸素濃度でのhnRNP Dと共沈してくるFlt-1 pre-mRNA量が多いことから、低酸素状態ではhnRNP DがFlt-1 pre-mRNAに結合することによって可溶型Flt-1産生を抑制していることが示唆された。 2. 精原細胞感染法によるトランスジェニックマウスの作製 Sehgalら(PLoS ONE 6(7): e21975)の方法によりレンチウイルスを用いたトランスジェニックマウスの作製を行った。4週齢のマウス(13匹)の精巣にレンチウイルスを感染させ、生まれた子供のゲノミックDNAにウイルスDNAの挿入があるかどうかを調べたところ、165匹中0匹であった。さらに、生後2日のマウスを用いて同様の実験を行ったが、150匹中ウイルスDNAが検出されたマウスは0匹であった。レンチウイルスを感染させたマウスの精巣を蛍光顕微鏡で観察したところ、ウイルスが感染したことを示すGFP陽性の細胞は精細管の外(間質)にしか観察されず、精原細胞(精細管の中)でGFP陽性の細胞は観察されなかった。したがって、Sehgalらの方法ではレンチウイルスは精細管に侵入せず、トランスジェニックマウスの作製は難しいことが明らかになった。
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Research Products
(3 results)