2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23792021
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
栗本 拓治 公益財団法人東京都医学総合研究所, 運動・感覚システム研究分野, 研究員 (50388815)
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Keywords | 視神経炎症 / 視神経再生 |
Research Abstract |
炎症誘発作用を持つ酵母細胞壁抽出物であるZymosan(12.5mg/ml)を野生型マウスの眼球へ投与し、12時間、24時間、72時間後に硝子体を取り出して好中球の浸潤についてFACSを用いて検討した。その結果、マクロファージの浸潤よりも早期に好中球が硝子体へ浸潤していた。さらにZymosan刺激後に硝子体から精製した好中球では、視神経再生因子の1つであるオンコモジュリンの発現が細胞免疫染色により認められた。好中球によるオンコモジュリンの産生量はZymosan刺激の12時間後にすでにピークに達しており、マクロファージと比較して非常に早いものであった。この結果から、視神経再生因子であるオンコモジュリンの早期産生には、マクロファージよりも好中球が重要であることが示された。さらに、Zymosan刺激では神経保護効果に重要な因子の発現が増大することが知られているため、好中球と神経保護の関連を検討した。好中球の中和抗体である抗Ly6G抗体を眼球内へ投与すると、やはり好中球の浸潤が抑制され、オンコモジュリンも減少し、視神経の再生効果も著しく減少していた。しかしながら神経保護効が知られているCiliary neurotrophic factor (CNTF)、Leukemia inhibitory factor (LIF)などの発現量には変化が認められない。この結果から、好中球は視神経再生を促進するが、神経保護には寄与していない可能性が考えられた。
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Research Products
(3 results)