2011 Fiscal Year Research-status Report
分子生物学的手法を用いた胆道閉鎖症術後の肝内胆管再生機構の解明
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23792025
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 拡 東北大学, 大学病院, 助教 (50579448)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 胆管 |
Research Abstract |
本研究の目的は、胆管上皮細胞が障害を受けた際に、どのように肝芽細胞から胆管上皮細胞へ分化・増殖制御されているかということに着目し、そのメカニズムを明らかにすることで、胆道閉鎖症術後の肝内胆管の再生メカニズムを解明することである。そこで、転写因子C/EBPαに注目した。C/EBPαによる胆管上皮細胞への分化抑制および肝細胞への分化誘導する詳細なメカニズムは不明である。そこで、C/EBPαの下流にある因子を特定し、胆管上皮細胞への分化抑制および肝細胞への分化誘導する詳細なメカニズムを解明すれば、胆道閉鎖症術後の肝内胆管の再生メカニズムを解明できると考えている。23年度は、まず第一に肝芽細胞の分離精製を行った。これは、肝芽細胞を用いた転写活性化因子C/EBPα標的下流遺伝子候補の検索するためであった。マウス胎児肝を用いて、肝芽細胞特異的表面タンパク質モノクローナル抗体を用いてFACSで分離精製する予定であったが、FACSによる肝芽細胞を十分な細胞数を確保することに難渋した。肝芽細胞を用いた次のステップとして、ノックダウン実験を行う予定であったが、当該年度には行うことができなかった。これらは、肝内胆管の再生メカニズムを解明するうえでは絶対的に必要であり、かつ重要な過程であることから、次年度も継続していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
第一にマウス胎児肝 (E14.5) より肝芽細胞特異的表面タンパク質DLKに対するモノクローナル抗体を用いてDLK+肝芽細胞をFACSにて分離精製予定であったが、安定した細胞数を確保することが困難な状態である。また、肝芽細胞を用いたC/EBPαノックダウン細胞を作製するため、エレクトロポレーション法 (AMAXA)を用いて肝芽細胞にsiRNA導入実験を行い、導入効率等を検討する予定であったが、肝芽細胞数を確保できないため、実施に至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
In vitro実験 <1> では、肝芽細胞を用いて、RNAi法およびDNAマイクロアレイで転写活性化因子C/EBPαが制御している下流遺伝子候補の検索を行う。<2> では、C/EBPα複合体もしくはその制御標的因子の複合体を精製し、その制御メカニズムを解明する。さらに、In vivo実験 <1> では、胆道閉鎖症術後の検体を用いて、In vitroとの比較を行う。<2>では、障害モデル (胆道閉鎖症モデル) としてマウス胆管結紮モデルを作製し、個体レベルでの肝臓における肝内胆管の病理組織学検討を行う。<3>では、障害モデルから胆管上皮細胞を分離精製し、In vitro実験で得られた遺伝子発現パターンを検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は当初計画していた実験(ノックダウン実験など)を次年度に延期することに生じたものであり、延期した実験(ノックダウン実験など)に必要な経費として、平成24年度請求額と合わせて使用する予定である。
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