2012 Fiscal Year Research-status Report
分子生物学的手法を用いた胆道閉鎖症術後の肝内胆管再生機構の解明
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23792025
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 拡 東北大学, 大学病院, 助教 (50579448)
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Keywords | 胆道閉鎖症 / 胆管細胞 |
Research Abstract |
本研究の目的は、胆管上皮細胞が障害を受けた際に、どのように肝芽細胞から胆管上皮細胞へ分化・増殖制御されているかということに着目し、そのメカニズムを明らかにすることで、胆道閉鎖症術後の肝内胆管の再生メカニズムを解明することである。 一方、転写因子C/EBPαによる胆管上皮細胞への分化抑制および肝細胞への分化誘導する詳細なメカニズムは不明である。そこで、C/EBPαの下流にある因子を特定し、胆管上皮細胞への分化抑制および肝細胞への分化誘導する詳細なメカニズムを解明すれば、胆道閉鎖症術後の肝内胆管の再生メカニズムを解明できると考えている。 23年度は、まず第一に肝芽細胞の分離精製を行った。これは、肝芽細胞を用いた転写活性化因子C/EBPα標的下流遺伝子候補の検索するためであった。マウス胎児肝を用いて、肝芽細胞特異的表面タンパク質モノクローナル抗体を用いてFACSで分離精製する予定であったが、FACSによる肝芽細胞を十分な細胞数を確保することに難渋した。肝芽細胞を用いた次のステップとして、ノックダウン実験を行う予定であったが、当該年度には行うことができなかった。24年度も継続して行ったが、系の確立にいたっていない。これらは、肝内胆管の再生メカニズムを解明するうえでは絶対的に必要であり、かつ重要な過程であることから、次年度も継続していく。また、同方法での計画が進まない場合には、細胞株などを用いたほかの方法も検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
マウス胎児肝を用いて、肝芽細胞特異的表面タンパク質モノクローナル抗体を用いてFACSで分離精製する予定であったが、FACSによる肝芽細胞を十分な細胞数を確保することに難渋した。 また、その操作には熟練した技術が必要であり、安定化するまで時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
FACSによる肝芽細胞のソーティングを行い、精製度の高い肝芽細胞を収集すること、またできる限り多くの細胞を採取する方法を構築していく予定である。 肝芽細胞を用いたC/EBPαノックダウン細胞を作製するため、エレクトロポレーション法 (AMAXA)を用いて肝芽細胞にsiRNA導入実験を行い、導入効率等を検討していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は当初計画していた実験(ノックダウン実験など)を行うことができておらず、細胞採取方法を構築し次第ノックダウン実験などを行っていく予定である。また、構築ができない場合には細胞株をこの延期していたノックダウン実験などを行う。これらに対する必要な経費として平成25年度請求と負わせて使用する予定である。
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