2011 Fiscal Year Research-status Report
鎖肛術後の排便機能障害に対する脱分化脂肪細胞(DFAT)移植による治療効果の検討
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23792034
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
金田 英秀 日本大学, 医学部, その他 (30598967)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | DFAT / cardiotoxin / 肛門内圧 / 肛門括約筋 |
Research Abstract |
ラットDFATを用いた肛門括約筋の再生を検討するために、まずSDラットを用いて肛門障害モデルを作製した。障害方法は、cardiotoxin(CTX)の局所投与にて作製し、炎症性細胞の浸潤度合をHE染色にて評価し、機能評価を肛門内圧の測定にて行った。肛門内圧測定時にカテーテル先端にatom tube を装着し、注水による排便反射をみることで、測定された圧波形は、内肛門括約筋と外肛門括約筋の複合波形であることが確認できた。肛門内圧に関してはスターメディカル社製の肛門内圧測定カテーテルを用いて測定した。当初、6週齢のメスを用いて肛門管障害モデルを作製したが、肛門内圧に関しては個体差が大きく障害評価が困難であった。そこで、正常ラットの肛門内圧を週齢と共に測定していった結果、6週齢、7週齢では肛門内圧に個体差が存在したものの、8週齢になると、ほぼ一定の肛門内圧が測定された。肛門管障害モデルの作製は8週齢の個体を使用することとし、次にCTXの投与方法を決定した。CTXは肛門周囲に100ulx4で局所投与した際、約2週間から3週間の障害が持続されることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
肛門障害モデルの機能評価を行う際に、個体週齢数と肛門障害の関係に気づくのが遅く、本年度にはDFAT投与への検討まで予定していたもののそこまで至らなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度において肛門管障害モデルの確立を行った。そこで、DFAT投与の時期を決めるために、肛門管障害モデルを作製した後、継時的に肛門管を採取し、HE染色にて細胞浸潤の程度を評価する。細胞浸潤の最も強い時期を同定し、それよりも早い時期にてDFAT投与を行う。DFAT投与方法は、局所投与とし、細胞数は1x105を基準として細胞数依存的に効果が変わることを確認する。また、DFAT投与を行う前に、Q trackerにて細胞をマーキングし、肛門括約筋の再生にDFATがどのように関与しているのかを検討する。組織評価はHE染色にて炎症性細胞の浸潤を評価し、さらに免疫組織化学を用いて骨格筋マーカー並びに平滑筋マーカーを染色し、肛門括約筋再生の関与を検討する。肛門内圧測定は継時的に行い、対照群(PBS投与群)と比較して、肛門内圧の回復がみられることを確認する。また、atom tubeを使用した注水による排便反射も同時に測定し、機能評価から肛門括約筋再生への関与が内肛門括約筋、外肛門括約筋のどちらが優位に起こるかを検討する。さらに、肛門括約筋再生にかかわるサイトカイン各種の検討をELISAを用いて検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
肛門管障害モデルに対するDFAT投与の検討を行うために、SD ratの購入が必要となり、細胞調節の際に培養関連試薬や、肛門括約筋の再生評価のため、組織関連物品とともに免疫組織化学やサイトカインアレイに必要な各種抗体の購入が必要となる。
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