2012 Fiscal Year Annual Research Report
鎖肛術後の排便機能障害に対する脱分化脂肪細胞(DFAT)移植による治療効果の検討
Project/Area Number |
23792034
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
金田 英秀 日本大学, 医学部, 専修指導医 (30598967)
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Keywords | 脱分化脂肪細胞 / DFAT / 肛門括約筋障害 / cardiotoxin / 肛門内圧測定 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、肛門管障害モデルの確立を行った。CTX(10uM) 100ulx4か所の局所投与では個体による障害度合にばらつきが出現したため、肛門内腔から4か所+肛門周囲の皮膚組織4か所、total 100ulx8か所の局所投与に変更したことで肛門管の障害が安定した。また、障害作製の翌日に肛門内圧を測定し、律動波の消失と静止圧の低下を確認し、肛門管障害モデルの確立とした。次に、確立された障害モデルを用いてDFAT投与における肛門括約筋の再生が可能かどうかを確認した。投与したDFATの細胞数は、2.5x105を50ul(PBS)にて懸濁し、肛門外周に4か所ずつ(0,3,6,9時方向)局所投与した。対照としてPBS50ulずつを局所投与した。また、細胞投与時期は、障害作製日より一週間後に投与し、障害直前の肛門内圧を指標として、継時的に肛門管内圧測定することで評価した。CTX局所投与による肛門管障害は障害作製日より21日前後にて肛門内圧が正常化するが、DFAT投与を行うことで障害作製日から14日、DFAT投与より7日前後にて肛門内圧が正常化した。肛門管障害モデルにおけるDFAT局所投与による肛門内圧の正常化は、DFATの平滑筋並びに骨格筋の機能再生が可能であること示した。 DFATの平滑筋への分化はすでにマウス、ヒトDFATで確認されており、同条件にてラットDFATにおいても平滑筋分化を行った。ラットDFATを5%FCS含有DMEM+TGFβ(5ng/ml)の条件にて培養しday1,3,5,7にてRNAを採取した。Real time PCRにてαSMA,SMMHCの発現を検討し、継時的に平滑筋マーカーが増加していることを確認された。また、培養day7におけるαSMAの免疫組織化学では、control(5%FSC含有DMEM)と比較して平滑筋細胞数が有意に上昇していた。
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