2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23792037
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
秋田 新介 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (00436403)
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Keywords | 脂肪由来間葉系幹細胞 / 骨髄由来間葉系幹細胞 / 顎骨骨延長 |
Research Abstract |
10週齢ニホンウサギ骨髄より単離した間葉系幹細胞を用い,対照群と誘導群に分け,in vitroにて軟骨,脂肪,骨の3系統に付きそれぞれヒト間葉系幹細胞分化誘導培地を用いた誘導工程を行い,細胞分化の特性を評価した。脂肪由来の間葉系幹細胞(ADSC)での誘導は個体差によって不安定であったため,先行して骨髄由来MSCを用いin vitro実験系の確証を図った。軟骨誘導はグリコサミノグリカン/ DNA量比の測定をおこなった。脂肪分化特性はPPARγのmRNA発現,TG/蛋白比,オイルレッド染色を施行した。骨分化特性はCa産生量,およびALP発現,alizarin red染色を比較し、各誘導群は対照群と比し優位に系統分化特性を示した。合理的に骨芽細胞へ誘起するには移植前に骨分化へ特性づける必要性があると考えられた。 医療用bTCP顆粒数種を担体として細胞を播種し,ヒト接着細胞用培地にて培養し6週間での担体内での良好な細胞接着と殖能を確認し、ニホンウサギ骨髄より単離したMSCおよびADSCを担体に播種し,骨誘導培地で方向づけを行い,人工的に作成した顎骨欠損モデルに移植し対照群との比較評価を施行した。移植後4週間での移植部の骨造成においてはマイクロCTで評価を行い、骨誘導培地群は対照群と比して局部の線維化を抑制したが有意差は取れなかった。ADSCとMSC群での線維化の差異は見られなかった。また対照群と比して有意な骨新生を示唆する結果は確認できなった。In vitroでの骨誘導結果をvivoに反映するには長期培養よりも必要最低限の誘導期間後速やかな移植により体内での骨新生過程に順応させる改良点が必要と感じられた。しかし担体内での体外培養系の樹立および欠損部位の線維化の抑制結果はヒト顎骨骨延長治療のモデルにおいて術後の延長部位の後戻りを防ぐ有用な手段の一つとなりうる貴重な結果を得られた。
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