2013 Fiscal Year Annual Research Report
長幹骨の内軟骨性骨化におけるレチノイン酸の機能解明
Project/Area Number |
23792042
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
峯岸 芳樹 福井大学, 医学部附属病院, 助教 (10467566)
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Keywords | レチノイン酸 / 軟骨 / 内軟骨性骨化 |
Research Abstract |
平成23年度および平成24年度の研究実績でRARE-LacZレポーターマウスを用いて3週齢マウスの成長板軟骨にレチノイン酸濃度の勾配があること、軟骨特異的にCyp26b1を欠失させたCyp26b1 cKOマウスは3週齢の時点で成長板軟骨の早期閉鎖することをあきらかにしている。 本年度の研究でCyp26b1 cKOマウスの軟骨成長板では野生型マウスと比較してレチノイン酸の濃度異常がおきていることをレチノイン酸レポーターを用いてreal time PCRを行うことで明らかにした。またCyp26b1 cKOマウスで成長板の早期閉鎖が起きるメカニズムを調べるためBrdUラベリングを行ったところ、野生型と比較して、Cyp26b1 cKOマウスで優位に増殖軟骨細胞の細胞増殖が低下していた。免疫染色をおこなったところCYP26B1蛋白の発現は増殖軟骨細胞に認めた。これらの現象によりレチノイン酸の過剰状態では、増殖軟骨細胞から肥大軟骨細胞へと分化する細胞数が減少することで成長板の早期閉鎖が起こることが示唆された。 これまでの研究成果よりマウスにおいて胎生期~幼少期の内軟骨性骨化ではレチノイン酸の厳密な濃度調整が重要であることを明らかにした。またCyp26b1 cKOマウスでみられた成長板の早期閉鎖は、ヒトにおいて乾癬や急性骨髄性白血病に対して使用するレチノイン酸製剤を児童に投与した際に長管骨の成長板の早期閉鎖が起きる副作用と同様の現象であり、そのメカニズムを解明するためのモデルとなりうる。
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