2013 Fiscal Year Annual Research Report
ラット静脈角の生理学を利用した新たなリンパ管静脈吻合術の開発
Project/Area Number |
23792044
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山口 憲昭 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (90600578)
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Keywords | リンパ管 / 静脈角 |
Research Abstract |
リンパ浮腫の根治は未だ困難であり、治療法の確立は急務である。治療法としては保存療法(圧迫、マッサージなど)を中心に行われてきたが、1977年にリンパ管静脈吻合術が報告された。主に、皮下の浅い層のリンパ管と静脈が吻合される。 しかし、外科治療法としての奏功率は未だ低水準といわざるを得ない。生理的なリンパ管静脈吻合部についての研究は1960年代後半からなされている。動物実験において、左右に単管もしくは複管として認めること、多くは二尖弁を形成し静脈内へ流入すること、胸管 の吻合部周辺では平滑筋組織が減少し静脈壁のようになることなどがわかっている。静脈角の弁構造に伴う逆流防止機構は生体内で必須の構造であり、この破綻はリンパ管への静脈血の逆流、リンパ液の回収の遅滞を生じ、臨床的にも乳び胸を生じることが分かってい る。以上より、リンパ管静脈吻合部でも静脈血のリンパ側への流入は生じてはならないと考えるのが妥当である。より太い静脈にリンパ管を弁構造を有した状態で吻合する新たなリンパ管静脈吻合術が上記の問題を改善するものと考えた。 そこで、平成23年~平成24年度はラットを使用し、静脈角の詳細な観察を行った。手術用顕微鏡下に左の鎖骨と第一肋骨を切除し、開胸することなく後面の静脈角を露出した。さらに、左の胸腔内に鈍針にてインドシアニングリーン(ICG)を投与し、同静脈角を定点の赤外観察カメラシステム(浜松フォトニクス)にて観察、録画した。また、直径2-3μmの蛍光ビーズを胸腔内に投与し、同静脈角部で蛍光実体顕微鏡にて観察した。 平成24-25年度は、静脈角部を人工的に破壊し、逆流の有無を確認した。また呼吸性変動に伴う色素の移動など生体における影響と考えられる現象を観察した。
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Research Products
(1 results)