2011 Fiscal Year Research-status Report
口唇口蓋裂初回口唇形成術時の自己臍帯血由来間葉系幹細胞移植による顎裂閉鎖の研究
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23792049
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
安村 和則 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (40351621)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 臍帯由来間葉系幹細胞 / 間葉系幹細胞 / 唇顎口蓋裂 / 顎裂 / 歯肉骨膜形成術 / Gingivoperiosteoplasty / 骨再生 |
Research Abstract |
自己臍帯由来間葉系幹細胞 Mesechymal Stem Cell(MSC)を,ヒト臍帯から効率よく採取,培養することにすでに成功している。さらに,ウシ胎児血清を用いた培地による3継代程度の培養で,NOD-SKIDマウスの顎欠損モデルへの移植に十分な細胞が確保できることが分かった。現在n=7でMSCの培養を進行中であり,実際にこれらの細胞を用いてNOD-SKIDマウスへの移植を展開中である。 顎欠損に臍帯由来 MSC 移植 を行う動物実験モデルの作成では,顕微鏡下の操作でマウス上顎骨に直径2mmの骨欠損を作成して移植を行う歯肉粘骨膜形成術 Gingivoperiosteoplasty (GPP)モデルが完成している。NOD-SKIDマウスを用いてこのような移植を行って取得される標本に対して免疫組織学的,遺伝組織学的に検証することで,移植したヒト由来細胞が骨に分化してマウス上顎に生着して骨再生に貢献するのか,移植部位には生着しないが骨誘導因子を放出することで骨再生に貢献するのか,といった解析が可能になる。 移植に用いる足場材料(キャリア)と手技の開発に関しては,PLLA,PLGAを用いて検証を行う。 将来的には,胎児診断された唇顎口蓋裂患者自身の臍帯血血清,臍帯MSCを分娩時に採取し,自己血清と自己MSCだけを用いて増幅培養,骨に分化誘導し,生後3~4カ月で行われる歯肉粘骨膜形成術 Gingivoperiosteoplasty (GPP)の際に,本人に戻す形での移植医療につなげたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
移植実験に必要なMSCを常時入手,培養するシステム構築が完了している。あとはこの研究の後半部分である移植実験と,取得標本の解析を遂行していくだけである。
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Strategy for Future Research Activity |
当施設の附属病院には Cell Processing Center(CPC) が併設されており,実際の臨床応用に向けてCPC内でMSC培養を行い,臨床応用を行う上での問題点を収集する作業を同時に行っていくのがよいのではないかと考えられる。これらの問題点を,並列して行う基礎研究で解決していくような研究スタイルが理想である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
移植実験が中心になるため,実験動物と,取得標本の観察のための備品や試薬の購入が中心になる予定である。
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