2013 Fiscal Year Annual Research Report
口唇口蓋裂初回口唇形成術時の自己臍帯血由来間葉系幹細胞移植による顎裂閉鎖の研究
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23792049
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
安村 和則 横浜市立大学, 大学病院, 助教 (40351621)
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Keywords | 臍帯由来間葉系幹細胞 / 口唇口蓋裂 |
Research Abstract |
自己臍帯由来間葉系幹細胞 Mesechymal Stem Cell(MSC)を,ヒト臍帯から効率よく採取し,同時に採取した臍帯血血清を用いた増幅培養でもウシ胎児血清と同等の増幅効果が得られることを確認した(n=29)。臍帯採取から初回分離細胞播種までの時間と関係なく,3継体までの培養で細胞の増殖能に個体差が大きく,活性の低い臍帯由来MSCしか採取できない個体が存在する可能性が示唆された。 FACSによる細胞特性解析では,CD73,CD90は陽性であるが,CD105が検出されない傾向があり,骨髄由来MSCとは性質が大きく性質が異なることが予想された。分化誘導培地を用いる分化能の検証でも,脂肪,軟骨への分化傾向は骨髄由来MSCとの差を認めなかったが,骨への分化傾向に乏しいことが確認された。 顎欠損に臍帯由来MSC移植を行う動物実験モデルの作成では,顕微鏡下の操作でマウス上顎骨に直径2mmの骨欠損を作成して移植を行う歯肉粘骨膜形成 Gingivoperiosteoplasty (GPP)モデルを作成した。MSCそのもの,骨への分化誘導を行ったMSC,MSC移植なし(コントロール)という条件でヌードマウスの同顎欠損モデルへの移植を行ったが,移植細胞の性質による骨欠損部の骨再生に差を認めなかった。細胞の性質,移植法が同じ条件であるはずの群内で骨再生に差が認められることから,手技的な問題で移植条件が一定していない可能性があると考えられた。この結果から骨再生は移植法(移植部周辺環境)によって大きく違うことが示唆され,移植部周辺環境の検証は移植細胞と同程度に重要であると考えられる。
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