2011 Fiscal Year Research-status Report
間葉系幹細胞の生体内における局在・動態・生理学的機能の解明
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23792058
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
河村 佳見 慶應義塾大学, 医学部, 特任助教 (20505044)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 再生医学 / 間葉系幹細胞 |
Research Abstract |
本研究は、骨髄由来間葉系幹細胞(Mesenchymal stem cells: MSCs )の生体内における局在と動態、生理学的性質及び役割を明らかにすることを目的とする。近年我々は、特異抗原を指標にフローサイトメトリーを用いて、MSCsを培養を経ずに直接分離する方法を確立した。マウスMSCsはSca-1(stem cell antigen-1)及びPDGFRα(platelet-derived growth factor receptor α)共陽性分画中に最も高頻度に存在し、これを用いてレポーターマウスを作製することにより、MSCsがどこから生じ、生体内で何をしているのかを解明する。今年度はレポーターマウス作製とともに、胎生期におけるMSCの性質、局在を解析した。Whole embryoを分散し、フローサイトメトリーで解析したところ、Sca-1/PDGFα共陽性画分はほとんど認められなかった。そこでこれまでに、培養を経てMSCを分離する従来法にてMSCが存在することが示されていた胎生期11日目のAGM領域に着目した。我々はこのAGM領域を採取し、フローサイトメトリーで解析したところ、Sca-1/PDGFα共陽性画分が存在することを見出した。現在この共陽性画分がMSCであるかを解析している。また、Sca-1及びPDGFRαの免疫染色を行い、これらの細胞がどこに存在するかを解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
東北関東大震災により、培養していた細胞が全て被害を受けた。また、クリーンベンチやフローサイトメーターなどの実験機器が元通りに使えるようになるまで数カ月を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
継続してマウスを作製・解析するとともに、胎生期MSCの解析を行う。成体骨髄ではマーカーとなるSca-1/PDGFRαが胎生期からもマーカーであるのかを明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
培地や実験動物などの消耗品購入および研究成果発表に使用する予定である。未使用額の発生は効率的な物品調達を行った結果であり、翌年度の消耗品購入に充てる予定である。
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Research Products
(2 results)