2011 Fiscal Year Research-status Report
脂肪誘導機能付加生体材料による組織欠損補填療法の開発
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23792059
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
矢澤 真樹 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60327567)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 再建外科学 |
Research Abstract |
本研究では、組織移植法のさらなる発展を目指し、現在通常行われている組織移植による再建手術におけるドナーとレシピエントの根本的な問題点を克服しようと着想を得ている。つまり、ドナーとして健常部を傷つけることがないように、ドナーを不要とできる材料を開発するだけでなく、パッチワークとなるレシピエント部の整容的な問題を、注射針を用いた注入によってボリューム付加・維持する新しい組織移植法による再建手術法の開発である。また本研究は、全ての段階において、臨床応用可能であることを前提として開発している。平成23年度においては、使用する人工生体材料の開発として、注射針による注入が可能な性状、および生体への臨床応用が可能な材料を開発できた。また、脂肪誘導・生着促進物質については、周囲から脂肪を誘導、あるいは脂肪組織の生着・維持を促進する物質で、生体応用可能な物質を検討し、Thiazolidinedioneを選択し、脂肪誘導の至適濃度をin vitroで検討確認した。さらに現在は、開発した人工生体材料への脂肪誘導・生着維持促進物質の付加を行い、実験動物を用いて、脂肪誘導・生着維持促進物質付加人工生体材料を、in vivoで評価中である。一方で、この成果を発表する場として、欧州の脂肪組織学会に参加して意見交換を行ったが、次回開催が平成25年とのことであり、現在は平成24年開催の米国脂肪組織学会での発表を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の柱である生体人工材料の開発が国立循環器病研究センター(中山)で順調に行われ、引き続く人工生体材料と脂肪誘導物質の評価において、in vitroの実験が、国立がん研究センター研究所(森)と予定通り行われたこと。さらに、動物実験が、既に慶應義塾大学医学部動物実験指針に沿って計画され申請、承認を得ていた(承認番号040038)ことにより、本研究は時間の停滞なく進展することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、材料開発が終了し、既に実験動物によるin vivoの予備評価の段階にある。これには多少観察期間を要するため、評価には時間を要することが予想されるが、この間に、予想される結果に対して、発表の方法および時期を検討し準備する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
動物実験の予備評価が、良好であれば検体数を増やすための追加実験を行い、良好でない場合は、原因によって再度動物実験を試みる。また、研究成果の発表について、方法と時期を検討し、準備する。
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