2012 Fiscal Year Research-status Report
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23792064
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
飛田 護邦 順天堂大学, 医学部, その他 (10599038)
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Keywords | 脂肪組織幹細胞 / 扁平上皮癌 / 動物実験 |
Research Abstract |
本研究の目的は、癌細胞に対する間葉系幹細胞の生体内動向について動物実験を通して検証するものである。具体的には扁平上皮癌細胞株に対するヒト脂肪組織幹細胞の影響を検証するため、培養増殖させた扁平上皮癌細胞株とヒト脂肪組織幹細胞を実験動物に混合移植し、腫瘍化及び肺転移への影響について検証する。平成23及び24年度に実施した研究概要としては、扁平上皮癌を培養・増殖させた後、細胞をNOD/SCIDマウス腹部皮下に移植し、腫瘍化の継時的変化を検証した。 実験方法としては、既に報告されている癌細胞移植モデルに基づき(Karnoub AE,Dash AB, Vo AP, et al Nature 2007)、 500000 細胞個の扁平上皮癌細胞をNOD/SCIDマウス腹部皮下に移植し、1週間毎の腫瘍経の計測と体重測定を実施した。 今後の方針として、扁平上皮癌細胞の腫瘍化を引き続き検証し、肉眼的に腫瘍化が確認された後、肺転移状況を検証する。肺転移の状況を確認する方法として、実験動物から採取した肺組織にインディアインクを気管支部より注入し、白色となる肺転移箇所を計測する予定である。また同時に組織標本作製用の肺組織を用意し、組織学的観察を実施する。さらに最終年度では培養したヒト脂肪組織幹細胞を実験動物腹部皮下に混合移植し、幹細胞の腫瘍化に対する影響を検証する予定である。また混合移植の方法としては、同部位に混合移植する方法、他部位へ同時移植する方法、またヒト脂肪組織幹細胞を静脈内注射する方法を計画しており、投与方法の違いによる比較検証も実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、ヒト細胞を使用するため学内倫理委員会の承認等が必要となるが、研究計画に必要な承認は全て得られ、現在は移植実験が進められている。 細胞の腫瘍化の継時的観察は引き続き行う必要があるため、評価時期等不確定な要因も存在するが、概ね順調に進展していると思料する。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度では、実験動物に扁平上皮癌細胞株及びヒト脂肪組織幹細胞を混合移植し、生体内動向を検証する予定である。これまでの予備的検証を参考にし、移植癌細胞株の腫瘍化を継時的に観察し、腫瘍径及び体重測定を1週間毎に計測する。また約90日後に肺転移の状況を観察するため、実験動物を安楽死させた後、肺内にインディアインクを注入し、肺転移箇所の観察及び腫瘍組織の組織学的観察を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の研究費の使途として、実験動物購入費、病理関連の研究消耗品を計上予定である。またこれまでに得られた成果発表および本研究に係わる情報収集を目的とした学術会議等へ参加するための旅費等も計上予定である。
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