2012 Fiscal Year Annual Research Report
単球系細胞のPPARγ活性化による敗血症病態の解明と新しい治療法の開発
Project/Area Number |
23792079
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
深澤 まどか 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 専攻医 (30530357)
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Keywords | 遺伝子治療 |
Research Abstract |
我々はグレリンのPPARγ増強作用を介した細胞死抑制効果に注目し、実験を行った。前年度において、分化型THP-1細胞及びヒトMacrophageにLPSを投与下に、糖濃度の異なる培養液で72時間培養を行いLPS及び生理的な高糖濃度負荷により、単球系細胞内のAktのリン酸化が抑制されることで、細胞死変化が促進されると共に、ファゴサイトーシスが抑制された。また、グレリン投与により細胞内PPARγ活性が上昇しその変化が抑制された。さらに、細胞内情報伝達系のPI3K/Akt経路を抑制する目的でAkt1に対するsiRNAを単球系THP-1細胞、ヒトMonocyte/MacrophageにNucleofection法により遺伝子導入することで、Akt1 の遺伝子ノックダウンを行うと、上記のグレリンの効果が消失した。従って、グレリンは、PI3K/Akt経路を介して細胞死抑制及びファゴサイトーシス促進していることが分かった。 今年度はマウスにLPSを尾静脈に投与した敗血症モデルにグレリンの前処置及びPPARγアゴニストを投与した場合の腹腔内マクロファージの細胞死の変化を調べる実験を計画した。実験結果として、LPSを投与することで48時間後より腹腔内マクロファージに細胞死の変化が見られた。また、グレリンの前投与によりこれらの変化が抑制された。現在得られた結果としては、マクロファージ内のAktのリン酸化が敗血症モデルで抑制されたが、グレリンはAktのリン酸化を維持することでマクロファージの細胞機能維持に働いていると考えている。他の関連する細胞内情報伝達系の変化に関しては今後の検討課題と考えている。
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Research Products
(1 results)