2011 Fiscal Year Research-status Report
蛋白添加前処理法を用いたESPによる血漿エンドトキシン測定法の開発
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23792082
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
高橋 学 岩手医科大学, 医学部, 助教 (60453304)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 国際情報交流 |
Research Abstract |
基礎的検討による新規血漿前処理法を用いたESP法による血中エンドトキシン測定法の検証について、まずリムルステストによる検討では健常人血液検体にエンドトキシン標準試薬を添加に比濁時間分析法、従来の前処理法を用いたESP法(以下 旧ESP法)、今回新規開発中の前処理法を用いたESP法(以下 新ESP法)で測定し検討したところ、比濁時間分析法と新ESP法ではほぼ同様な値を呈することが明らかとなり、また旧ESP法では偽陽性を示す症例や異常高値を示す症例を認め、臨床応用には非常に問題があることが再確認できた。またフローサイトメトリー法による検討ではフローサイトメトリーを用いて血液内のエンドトキシンの局在を検討したところ、血漿中にフリーの状態で遊離しているエンドトキシンに比較し、白血球に結合し存在しているエンドトキシンが多いことが判明した。エンドトキシン特異性の検討についてはリムルスカスケードの第一段階であるファクターCに対するモノクロナール抗体を添加しリムルスカスケードを完全に抑制しそれぞれの測定法にてエンドトキシンしてところ、旧ESP法では偽陽性反応を呈する症例が多く認められ、測定値が真のエンドトキシンではない可能性が示唆された。新ESP法ではこの方法で処理した検体ではエンドトキシンが検出された症例は見られなかった。測定時間の迅速化については新ESP法では測定感度が上昇したため測定時間も必然的に短縮した。しかし前処理法はまだ検討する予知もありさらに時間の短縮が可能となる余地もあると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基礎的検討による新規血漿前処理法を用いたESP法による血中エンドトキシン測定法の検証、エンドトキシン特異性の検討については23年度で約100例以上の症例で検討し一定の見解を得ることができている。 測定時間の迅速化については新規前処理法が確立されれば具体的な短縮時間も数値として示すことが可能であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、健常人の血液検体にエンドトキシン試薬を添加し各測定法にて検討を行っているが、今後は臨床検体を用いて測定し、同時に測定するサイトカインや血液培養、グラム染色結果と照らし合わせながら、新ESP法の陽性的中率を検討していく、また新ESP法が真のエンドトキシンを測定していると十分証明されるようであれば、当施設で検討を行っているルシフェラーゼ反応を用いたエンドトキシン測定との組み合わせによりベットサイドでのエンドトキシン測定の確立を目指したいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度からの繰り越しは1307円で、従来の計画どおり次年度は研究を行う予定です。サイトカインの測定をメインに行うため、その測定キットの購入分が今年度より増す予定。
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Research Products
(1 results)