2012 Fiscal Year Annual Research Report
新たな免疫強化療法としてのIL-15の可能性~高齢者敗血症の治療法を探る~
Project/Area Number |
23792088
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
井上 茂亮 東海大学, 創造科学技術研究機構, 講師 (30582209)
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Keywords | 敗血症 / 老化 / IL-15 / T細胞 |
Research Abstract |
【背景】敗血症は死亡率の高い重篤な全身性感染症である。高齢者では敗血症が重篤化しやすいが、その病態はいまだ不明である。【目的】高齢者敗血症患者と高齢マウス敗血症モデルの免疫機能解析を行うとともに、CD8陽性T細胞・NK細胞の成長因子であるIL-15の高齢敗血症への効果を明らかにする。【方法】1.高齢敗血症患者および高齢マウス敗血症モデルの免疫機能解析(平成23年度)【結果】高齢者敗血症の予後は不良であり、①加齢に伴うCD+8T細胞数の減少、②敗血症後のCD4+T細胞数の減少および活性化障害などの獲得免疫障害が認められた。高齢敗血症マウスは予後不良であり、炎症系サイトカインの増加、加齢に伴うCD4細胞におけるPD-1/CTLA-4陽性率の増加、制御性T細胞の割合の増加を認めた。 【方法】2.高齢敗血症モデルにおけるIL-15の有効性の検討(平成23-24年度)【結果】IL-15は活性化しにくい高齢者由来T細胞を再活性化し増殖を促進し得た。またIFN-γの産生量を増加させた。さらにIL-15は高齢マウス敗血症の生命予後IL-15を有意に改善させた (70% vs 0% p<0.05)。またIL-15は活性化しにくい老化CD8+T細胞を活性化し、敗血症による誘導されるCD8+T細胞のアポトーシスを抑制した。 【結語】IL-15は活性化しにくい高齢者ならびに高齢マウスのT細胞を再活性化させ、高齢マウス敗血症モデルの生命予後を改善した。今後はIL-15による老化T細胞活性化のシグナル伝達系に関与する新たな治療標的分子を探索することで、今後先進国で爆発的に増加する高齢者敗血症の新規治療薬の開発を目指す予定である。
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Research Products
(11 results)