2011 Fiscal Year Research-status Report
重症熱傷における免疫異常とalarmin:焼痂由来ミトコンドリアDNAの関与
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23792092
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
中村 智之 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教 (00534025)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | NETs / 敗血症 / DNA / アポトーシス |
Research Abstract |
集中治療室に入室している熱傷患者のみならず敗血症、多発外傷の患者における血漿中ミトコンドリアDNAの測定を開始している。ミトコンドリア特異的蛋白であるチトクロームCをコードしているRNAに対するプライマーを使用しreal-time PCRを行い血漿中ミトコンドリアDNAの定量を行っている。現在のところ熱傷を初めとした外傷患者のみならず敗血症患者においても血漿中ミトコンドリアDNAの増加を認めている。大量の細胞壊死を伴う外傷患者における血漿中ミトコンドリアDNA の増加は、当初の仮説通り壊死細胞からDAMPsとしてのミトコンドリアDNA漏出と考えられる。一方、大量の細胞壊死を伴わない敗血症患者における血漿中ミトコンドリアDNAの増加機序は現在のところ不明である。敗血症患者では過剰なアポトーシスおよびneutrophil extracellular traps (NETs)が生じていると推察されるが今回の測定結果のみではいずれの細胞から漏出したのかは断定できない。今後はさらに症例数を増やすことにより現在得られている結果をさらに確実にする必要がある。同時に、敗血症時に認める血漿中ミトコンドリアDNAの起源を明らかにする必要がある。NETs由来であるなら好中球から同時に放出されるヒストン、ミエロペロキシダーゼの血漿中濃度増加も同時に認めることが予想される。現在これらの測定準備をすすめている。さらにNETsに特徴的である血小板好中球相互作用を確認するためにplatelet-associated neutrophilの動態も検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
熱傷に限らず多くの重症疾患においてミトコンドリアDNAの上昇を認めることが明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
熱傷に限らず多くの重症疾患においてミトコンドリアDNAの上昇を認めることが明らかになった。今後その機序を明らかにするためにDNA以外のたんぱく質の測定を計画している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
血液中ヒストン、ミエロペロキシダーゼの測定を計画している。
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