2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23792100
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
葛城 美徳 新潟大学, 医歯学系, 助教 (60401759)
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Keywords | Bcl11b / 歯胚形成 / ENU変異体 |
Research Abstract |
申請者はBcl11bS826G/KOマウスが胸腺細胞や腸上皮だけでなく、過剰歯の形成や切歯の低形成といった歯における異常を持つことを見いだした。このS826GアリルはENU変異体由来の機能低下型アリルである。過剰歯形成は胎生期のE14.5前後から起こるので、この時期でのマウス臼歯歯胚におけるBcl11bの発現を調べた結果、Bcl11bは外胚葉性の細胞に発現し、E13.5では口腔上皮や歯胚プラコードに、それ以降は外エナメル上皮側でより強く発現することがわかった。また興味深いことにBcl11bの発現の強弱に相反してβ-cateninの発現が認められ、Bcl11bがβ-cateninを抑制的に制御する機構が歯胚形成過程でも働いている可能性が示唆された。また、 E14.5においてS826G/KOの臼歯歯胚領域が野生型と比較して拡大していることも確認した。現在K14creERによるBcl11bのCKOマウスを用いて過剰歯形成機序を引き続き解析中である。一方、申請者はこの過剰歯形成の研究と並行して、S826G/KOマウスの切歯低形成に関する研究も進めてきた。マウス切歯のエナメル上皮幹細胞はその基部にあるlaCL内に存在し、TA細胞やエナメル芽細胞を供給する。S826G/KOではlaCLの萎縮やLRC(幹細胞)およびTA細胞の減少、早期分化様の表現型が確認された。laCL由来の細胞株を用いてS826Gアリルの転写抑制活性を調べた結果、in vivoの発現と矛盾なく、p27やβ-cateninの転写抑制活性が低下することを確認した。 FGFやShhシグナリング経路には大きな変化はなかったことから、S826G/KO切歯の低形成はlaCL周辺の幹細胞やTA細胞におけるBcl11b標的遺伝子発現の異常による可能性が強く示唆された(revision submitted to Mech.Dev.)。
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Research Products
(3 results)