2013 Fiscal Year Annual Research Report
LDL受容体ファミリーを介したF-spondinの硬組織破壊調節機構の解明
Project/Area Number |
23792103
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岡 広子 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 特任助教 (60452588)
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Keywords | 硬組織破壊 / 歯周組織 / LDL受容体ファミリー / F-spondin |
Research Abstract |
<平成25年度に実施した研究の成果> 最終年度に当たる本年度は,引き続き破骨細胞前駆細胞の遊走・分化に及ぼすF-spondinの影響とこれまでの研究でF-spondinの作用に大きく影響を及ぼしていると考えられたLrp8,およびRANKL投与時に有意な発現増強が認められたLrp4の関連に注目して以下の検討を行った. (1) RANKLおよびF-spondinを用いた培養系での遺伝子およびタンパク変化:F-spondinはLrp8を介して,NFATc1を抑制していることが明らかとなった.(2) F-spondin過剰発現トランスジェニック(Tg)マウスおよび野生型マウスより得たカルバリア細胞での歯周病原菌由来LPSを投与後のOPGおよびRANKLの発現:過剰発現Tgマウスの胎数が少なく,比較実験のための十分なプライマリー細胞が同時期に準備できなかった.RANKLおよびOPGの発現は確認できたが,発現変化の検討には至らなかった.(3) Tgマウスおよび野生型マウスより得たカルバリア細胞と破骨細胞前駆細胞のChamberを用いた共培養系の検討:F-spondin過剰発現細胞が分泌するF-spondinが破骨胞誘導阻害に関わっていることが明らかとなった.その一部の作用はLrp8を介したものであった.それと同時に,F-spondin以外の分泌因子も破骨細胞誘導に影響を与えていることが明らかとなった. <研究期間全体を通じて実施した研究の成果> F-spondin発現細胞は,F-spondin分泌およびそれ以外の機能で硬組織破壊の調節に関わっていることが明らかとなった.今後,過剰発現Tgマウス等を用いたin vivoでの受容体の発現変化と様々なタイプの炎症状況時のF-spondinの発現変化の炎症病変検討が,全身におけるメカニズムの多様性の解明に寄与すると考えられる.
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Research Products
(1 results)