2012 Fiscal Year Annual Research Report
Runxファミリーの共役因子Cbfbの骨格および歯の発生における機能解析
Project/Area Number |
23792108
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
六反田 賢 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60549608)
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Keywords | Cbfb / Runx2 / 骨芽細胞 / 軟骨細胞 / 骨形成 / コンディショナルノックアウトマウス / Dermo1 |
Research Abstract |
転写因子RunxファミリーRunx1, Runx2, Runx3ともに軟骨細胞に発現しているため、ファミリー分子間で機能が重複している可能性があり、Runx2ノックアウトマウスを解析しても、正確にRunx2の骨格形成における機能を見ることができない。Cbfb は、Runxファミリーの共役因子であり、Runxファミリー分子とヘテロダイマーを形成、Runxファミリー分子の立体構造を変え、Runxファミリー分子にDNA結合能を獲得させる。すなわち、Runxファミリー分子はその機能発現のためにCbfbを必要とする。そこで、Cbfbのコンディショナルノックアウトマウスを用いて、Runxファミリー分子の機能を解明することにした。すなわち、全身の間葉系細胞に発現するDermo1遺伝子にCreをノックインしたマウスと、Cbfb floxマウスを交配し、骨格系の発生初期でCbfbを欠失させ、その表現系を解析することにより、Runxファミリー分子の骨格形成における機能を明らかにすることを目的とした。骨格標本の作製、インシチューハイブリダイゼーションを含む組織学的解析によりCbfbコンディショナルノックアウトマウスを解析した。骨格標本では、Cbfbコンディショナルノックアウトマウスの全ての骨格で、石灰化の遅延が見られた。組織学的観察では、血管進入および海綿骨形成の遅延を認めた。インシチューハイブリダイゼーションでは、成熟軟骨細胞に発現するX型コラーゲンとオステオポンチンの発現は弱く、骨幹部に限局していた。これらの結果より、CbfbはRunx2依存性の骨形成、軟骨細胞分化に重要な働きをすることが明らかとなった。
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