2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23792114
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
森崎 弘史 昭和大学, 歯学部, 講師 (30317581)
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Keywords | choline binding protein / Streptococcus |
Research Abstract |
本研究は、Streptococcus pneumoniae と、その近縁種であるStreptococcus mitis を対象とし、形質転換の際に働く細胞壁溶解酵素(LytA, LytC, CbpD)とその機能発現への関与が示唆されているcholine binding protein E(CbpE)の制御機構を明らかにすることを目的としている。前年度はS. mitis のCbpの1つであるコリン結合βガラクトシダーゼ(β-gal)の局在性に対するCbpEの関与を調べるために、野生株とCbpE欠損株の培養上清中のβ-gal活性を測定した。その結果、CbpE欠損株のβ-gal活性は野生株の6%程度まで低下していた。さらにS. mitisのコリン結合β-gal欠損株を作製し同様に測定したところβ-gal活性はほぼ完全に消失した。これらの結果からS. mitis培養上清中のβ-gal活性はコリン結合β-galに由来すること、その活性発現にはCbpEの機能が重要であることが明らかとなった。本年度はまず、CbpE相補株を作製する目的でCbpE遺伝子を完全に欠損したCbpE欠損株を作製した。次に乳酸脱水素酵素プロモーターの下流にCbpE遺伝子を配したCbpE発現プラスミドを構築し、そのプラスミドでCbpE欠損株を形質転換してCbpE相補株を得た。これらの菌株を用いてCbpEの機能解析を行った。さらにCbpEが他のコリン結合タンパク質の局在性を制御しているかを調べるために2種類のコリン結合タンパク質(細胞壁溶解酵素CbpD、コリン結合β-gal)のペプチド抗体を作製した。これらの抗体を用いたWestern blotでCbpE欠損株における標的タンパク質の局在変化の解析を試みた。しかし、標的タンパク質の発現量が少ないためか培養上清画分からも菌体表層画分からも目的タンパク質は検出されなかった。
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