2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23792128
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
實松 敬介 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (70567502)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 味覚 / 甘味受容体 / 味覚修飾物質 / グルマリン / ギムネマ酸 / ミラクリン |
Research Abstract |
生活習慣病やそのリスクファクターである肥満は、我々の甘味に対する強い嗜好性と食生活の乱れが主な要因であると考えられている。生体恒常性の破綻は、生活習慣病に繋がる可能性があり、甘味受容機構の解明により生活習慣病や肥満の予防、治療に役立つ味覚修飾物質の発見や、創薬につながる可能性が考えられる。その基礎として、甘味受容体T1r2/T1r3と基質との結合特性を解明することが現在緊急課題となっている。そこで本研究では、甘味受容体T1r2/T1r3と甘味抑制物質であるギムネマ酸(GA)とグルマリン(Gur)および酸性条件下で甘味修飾効果を有するミラクリン(Mir)に関し、甘味受容体再構築系を用いてその相互作用の解明を目的としている。本年度は、ヒトT1rs、マウスT1rsのホモロジーモデリングを行い、ドッキングシュミレーション解析により、ギムネマ酸、グルマリンのT1rsへの結合モデルの作成を行った。その結果、ギムネマ酸がヒトT1r3の膜貫通領域に結合し、グルマリンがマウスT1r3のアミノ末端領域に作用している候補モデルを得た。またグルマリンはマウスT1r2のアミノ末端領域にも作用する候補モデルも得ている。現在、マウスの甘味感受性(主に甘味アミノ酸であるD-phe)やグルマリンによる甘味抑制に対する系統差を調べており、各系統のマウスT1rsの遺伝子コンストラクトの作成を行った。カルシウムイメージング法により、得られた各系統のマウスT1r2/3の応答解析を行い、系統差を生じる変異を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
得られたドッキングシュミレーションのモデルより、各味覚修飾物質の感受性に影響を与えるアミノ酸残基の推定が可能になった。味覚修飾物質の感受性に影響を与えるアミノ酸残基が同定されつつあり、おおむね計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
得られたドッキングシュミレーションのモデルより、各味覚修飾物質の感受性に影響を与える可能性があるアミノ酸残基を推定する。変異導入を行ったT1rsの味覚修飾物質に対する感受性を、カルシウムイメージング法を用いて解析する。その結果を踏まえ、ドッキングシュミレーションの解析結果の再評価・修正を行い、最終モデルを作成する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度の研究計画を基本的に継続する。(1)T1rs mutantの作成:味覚修飾物質に対する感受性に影響を与える可能性のある点変異を導入した発現コンストラクトを作成する。(2)HEK293細胞を用いたカルシウムイメージング法による解析:(1)で作成したプラスミドを用いて機能解析を行い、変異を入れる前の応答と比較・検討を行う。(3)ドッキングシミュレーションの再解析:得られた点変異での解析結果を元に、より詳細なドッキングモデルを作成し、どのように味覚修飾物質が味覚受容体に結合し、作用するのかを検討を行う。
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Research Products
(5 results)
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[Book] 中山書店2011
Author(s)
實松 敬介、二ノ宮 裕三
Total Pages
128-133
Publisher
疾患モデルマウス表現型解析指南:味覚